劇場公開日 2003年10月25日

「後悔なく生きることは、我儘とは違う。」死ぬまでにしたい10のこと N.riverさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0後悔なく生きることは、我儘とは違う。

2021年10月21日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

死を前にしたなら「そのときの気分で」なんてのんきなことは言ってられない。
限られた時間を自らの思いに従い、一瞬一瞬を誠実に、
無駄遣いすることなく生きるほかなくなるだろう。
だから10のしておきたいことを、主人公はピックアップした。
その誠実さは、裏切ることなく周囲へ伝わる。
それが「私がいなくなった私の世界」にたった一つ、
私の痕跡として残される。
愛は偉大と思わずにおれない。

ラストの何とも言えない穏やかで幸せそうな映像は、
果たして主人公の妄想なのか、現実なのか、分からない。
ただどちらにせよそうであれば誰も打ちひしがれることない
穏やかな「その後の世界」は主人公も含めてなんてハッピーなんだ
と思えてならなかった。
わがままだけなら逆の光景が広がっていたのでは、と思うほど。

プライムビデオで鑑賞した本作だが、
レビューにただの不倫映画だ、と酷評もいくらかあった。
だがあの出会いがなければ主人公は土壇場でおそらく、
十七歳の自身を後悔したと思う。
夫に不満を抱えてしまったのではないかと想像する。
予感があったからこそ主人公はリストに挙げ、
あったかもしれないもう一つの道、を確かめようとしたのだと思っている。
夫を、自身を、恨まないために。
(でないと夫の次の幸せなんて考えられないし、そんな夫に育てられるだろう子供の幸せを願えば、主人公こそ納得して次へ送り出す準備が必要である)
望んだ出会いも主人公が自身に誠実であればこそ、
痴話に終わることなどなかったのだから、
相手もまた救われたというのだから、
あとは墓場まで秘め事と持って行くだけ。
それがあったからこその穏やかなハッピーエンドだと思っている。

ともかくフィクションにありがちな、
ありがちだから死に際に別れを惜しんでお涙頂戴、とは果てしなく異なる、
大人な展開だと感じて止まない。

とてもリアル路線の、それでいて夢のような物語。
公開終了間際に滑り込みで観ることができて本当によかった。

N.river
N.riverさんのコメント
2023年7月30日

りかさん
お読みいただきありがとうございました。
何かのお役にたてていたなら嬉しいです。

N.river
りかさんのコメント
2023年7月30日

こんばんは、 はじめまして🌷
レビューありがとうございます😊
彼とのつきあいの意味がわかったような気がします。レビュー書いていますが、また考え直します。
訳あってレビュー全て下書き状態ですので、共感等お気遣い鳴く🍒

りか