劇場公開日 2002年4月6日

「悩む生真面目スタローンも、ええんちゃう⁈」D-TOX Chuck Finleyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5悩む生真面目スタローンも、ええんちゃう⁈

2022年6月17日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波

悲しい

怖い

難しい

何故か似非関西弁タイトリングすみません。

何が言いたいかと言うと、いつもと少しだけ雰囲気の違う“メンタル弱い”(俺よりは強い)FBIスタローンに寄り添って物語の進行を楽しもうとする態度で観れば、この映画けっこう面白い小品だと思うんです。

尺か予算の関係か、たしかに各物語パートの導入部が夫々ちょっと強引だったり、中盤次々に10人以上出てくる男どものキャラのクセや背景が日本人の我々には分かりにくく戸惑うかもしれません。

でもね、本作は必ずしも「密室・孤立スリラー」とか「スタローンの大脱出活劇」とか犯人は誰だ!の映画ではなく、あくまで「生真面目な刑事からFBIに出世したスタローン君、メンタル病んでしまって心の旅+殺し合い」と「高機能ストーカーからの解放」のハナシなのではないかと思うわけです。思うに、実はそれが映画の冒頭部のヘンな天の声的なモノローグとすぐ後のスタローン特別捜査官のヘンな照れ笑い演技で示唆されています。ここ重要かも。

そのつもりで観れば、終わりまで観て大感動して泣いたり心臓ビックリで締め付けられたりはしませんが、けっこう要所を押さえたイイ映画だと思います。今作は他の各キャストも普段の配役イメージとは少しだけ違った演出を振られているようにも見え、それも楽しめればなかなか善きです。

D-TOXとは発音がそのまま“解毒”ですが、トラウマを負いやすい法執行機関職員の特別指定療養施設の俗称だそうです。まぁ実際には、あんな気の滅入る要塞そのものの極寒・孤立・地下収容施設では、治る病気も治らないでしょう、経営者先ず最初に気付けよとは思います。

keebirdz