フィニアンの虹

劇場公開日:

解説

E・Y・ハーバーグとフレッド・セイデイのコンビが1947年に発表したステージ・ミュージカルの映画化で、脚色も右の2人の共同である。監督はフランシス・フォード・コッポラで、彼は「禁じられた情事の森」「雨のニューオーリンズ」「パリは燃えているか」などの脚本に参加し、監督作品としては「痴呆症」「お前はもう大人だよ」=ともに日本未公開=や「グラマー西部を荒らす」などがある。撮影はフィリップ・ラスロップ、音楽は、バートン・レーンの作曲を、レイ・ハインドーフが総指揮にあたっている。振り付けは「マイ・フェア・レディ」のハーメス・パンである。なお、ナンバーはメインタイトルの「プレリュード」から「毎年いまごろ」「グロッカ・モーラの様子はいかが」「虹に瞳を」「もし、これが恋でないなら」「素敵な気持」「今日こそ晴れの日」「オールド・デビル・ムーン」「なまけものの金持ち」「恋しい娘」「どうしても」「レイン・ダンス・バレエ」「さずかり者」などE・Y・ハーバーグ作詩、バートン・レーン作曲のものである。出演はフレッド・アステア、イギリスのポップス界からペトゥラ・クラーク、「心を繋ぐ6ペンス」のトミー・スティール、テレビ出身の新人ドン・フランクス、バレリーナのバーバラ・ハンコックほか。製作はジョセフ・ランドン。

1968年製作/アメリカ
原題:Finian's Rainbow
配給:ワーナー・ブラザース・セブン・アーツ
劇場公開日:1969年3月15日

ストーリー

レインボー・バレーにフィニアン(フレッド・アステア)と娘シャロン(ペトゥラ・クラーク)がやって来た。彼らはアイルランドをあとにして、やっと、この地に着いたのだ。フィニアンは三つの願いが叶う金の壷を持っていた。彼は妖精から預かったといっているが、妖精たちは盗まれたという。そして、その壷を取り返すべく、妖精のオグ(トミー・スティール)がアイルランドから追ってきた。彼は、一刻も早く壷に願いをかけないと妖精ではなくなってしまうという。もう90%まで人間になってしまった……。そんなことにはおかまいなく、欲ばりフィニアンは、深夜こっそり金の壷を土の中深く埋めておいた。一方シャロンは、レインボー・バレーの青年指導者でタバコの栽培をしているウーディに一目ぼれ。フィニアンも祝福してくれた。しかし、いいことばかりは続かない。ウーディたちの土地を強引に買い取ろうとする議員がやって来た。怒ったシャロンは彼に向かい「あんたなんか黒んぼになっちゃえばいい」と叫んだ。すると、なんと議員は、黒人になってしまった。人々はシャロンを魔女だという。だが実は、シャロンが叫んだそのすぐ近くに金の壷が埋めてあったのだ。三つの願いの一つが、思わぬところで叶ってしまった。やがてシャロンとウーディは結婚式を挙げた。だが、そこへ地方検事がやって来て、シャロンを魔女裁判にかけるという。ただし議員を、元の白人に戻せば許すという。その頃、何も知らないウーディの妹スーザンが金の壷を見つけ、別の場所にしまい込んだ。そこへ妖精オグが現れた。彼は妖精だから、そばにいる娘を好きになってしまう。ついさっきまではシャロンを追いかけていたが……。オグとスーザンは恋におちた。だがスーザンはオシなので恋の気持ちを語ることは出来ない。踊りで表面するだけ。オグは言う「キミも口がきけるといいな」--願いは叶ってしまった。金の壷の威力は、あと一つ。そこへフィニアンが現われ最後の願いを叶えた。「議員よ、白人になれ」--シャロンは解放されたが、金の壷は、だだの壷になってしまった。そして、もうすっかり人間になってしまったオグは、スーザンにほほえむ。レインボー・バレーに再び平和が訪れた。だがフィニアンだけは、この平和の地を去って行く。別のレインボー・バレーを求めて。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第41回 アカデミー賞(1969年)

ノミネート

ミュージカル作曲・編曲賞 レイ・ハインドーフ
音響賞  

第26回 ゴールデングローブ賞(1969年)

ノミネート

最優秀作品賞(コメディ/ミュージカル)  
最優秀主演男優賞(コメディ/ミュージカル) フレッド・アステア
最優秀主演女優賞(コメディ/ミュージカル) ペトゥラ・クラーク
最優秀助演女優賞 バーバラ・ハンコック
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映画レビュー

3.0コッポラ監督作品ミュージカル

2023年2月8日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

単純

幸せ

フレッド・アステアが好きで彼の出演作を探して鑑賞しています。
こちらは宅配レンタルで借りました。不具合で一部観られなかったものの、特典のワールドプレミアムの映像があったり当時の雰囲気を味わえて楽しめました。

ブロードウェイミュージカル原作で長い作品ですが、音楽も素晴らしく映像もカラフルで鮮やか。ダンスはアステアが高齢なこともあり?メインという感じではありませんでした。
舞台の映画化はセットっぽさが気になることが時々あるのですが、そこはコッポラ監督。空撮始めミュージカルとは思えないカメラワークで臨場感あるスケール。
虹の谷という場所もそこに暮らす住民も生き生きしていました。

話の内容はファンタジーでう~んというところもあります。
でもこれはミュージカルですから!
当時のスターがそれぞれの持ち味を発揮した娯楽作品としては一級でしょう☆

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