劇場公開日 2022年1月21日

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「【想像力がエロチシズムを掻き立てる】」昼顔(1967) ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【想像力がエロチシズムを掻き立てる】

2022年2月3日
iPhoneアプリから投稿

ルイス・ブニュエル作品としては、日本では最も人気のある作品のように思う。

カトリーヌ・ドヌーヴ人気がそうさせているようにも思えるが、ベッドの上で裸の背中を見せるセブリーヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)の宣材写真から想像できるほどのエロチシズムは映画のセックス描写にはない。

どちらかというと、貞淑で不感症と思われていたセブリーヌが、犯される夢を見たり、売春宿で「昼顔」という名前で働くようになって、様々な相手を通じて快楽を得て、性に開放的になっていく姿を見て、当時の人々は、女性にも性欲があるのだとか、あって当然だとか、どんなプレイが許されるのかとか想像力を膨らませたに違いないのだ。

そして、夢や妄想と現実の境目が曖昧になっていく状況は、ヒッチコックにも絶賛され、フロイト的と言われたりするが、当時より性的には開放的と考えられる現代でも、多かれ少なかれ、セックスを想像すれば、人は似たようなものではないのかと考えたりする。

そして、ケースバイケースで、いたぶられるなどマゾ的な想像を膨らませたり、そして、現実では貞淑な妻なんかの役割を演じてみたり、その曖昧な境目を実はスリリングに楽しんでいるのではないのか。

ちょっと謎なエンディングは、メッセージというより、きっと人間の本質を示唆したのではないのか。実は、ヒッチコックはそこを称賛したのではないのか。

そんな風に感じさせる作品だった。

ワンコ