劇場公開日 1976年8月28日

「ヒッチコック最後の作品は、小品のコメディ。」ヒッチコックのファミリー・プロット kazzさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ヒッチコック最後の作品は、小品のコメディ。

2020年5月11日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

Blu-rayで観賞。

ヒッチコック最後の作品。
スター俳優は出ていない。
美男も美女もいない。

二組の犯罪者カップルの物語なのだが、片方は誘拐によって身代金に宝石を奪い取る悪党で、もう片方は霊能力者のふりをして占い料金を騙し取る小悪人だ。
小悪人カップルが金持ちから人探しを依頼され、行き着いた先が悪党カップルだったという物語。
ファミリー・プロットを直訳すると「家族の筋書き」なので、家族間の人間模様にまつわるスリラーかと思いきや、「一族の墓」という意味らしい。

初観賞時の印象はつまらなかった。多分中学生くらいだった。
テレビの洋画番組で放送されるヒッチコック映画は、もっと面白かったからだ。
Blu-rayもボックスに入っていたから買っただけで、単品だったら買わなかった。
が、観かえすと細かいところが面白い。
なにより、小悪人カップルの会話の下ネタがヒッチコック作品では珍しい。
悪党カップルも、なかなかのドジぶりだ。

ヒッチコックのウィットが他の作品よりも相当多く挿入されていて、大人のコメディサスペンスになっている。

山道のカーアクションは、今観てもスリルがある。
宝石の隠し場所がユーモラスで、それがラストシーンに繋がるあたりは、サスガだ。

kazz