劇場公開日 1976年9月18日

「くたばれ、ニューヨーク」タクシードライバー 疾走チェイサーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0くたばれ、ニューヨーク

2013年9月8日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

幸せ

この映画を平たく説明するなら、女に振られた男が狂気に向かっていく様を描いた映画です。ただ人に紹介する上で必ず付け加えなければいけないワードがあります、それは“名作”です。
悩める現代人は共感出来ること間違いないです。

まず映画の見所ですが、若きロバートデニーロの演技。とにかく自然で狂気に満ちてる。
デニーロがほくそ笑むシーンが幾つかあるのですが、その笑みが徐々に常軌を逸していくのです。
若者が社会への反逆者へと変わる様を淡々と演じている。鏡に向かって44口径マグナムを構えるカットには惚れます。

ラストシーンの銃撃戦はやっぱりカッコいい‼

この映画にはたくさんの解釈の仕方がありますが、偏見ありありの俺の解釈で説明していきます。
女に裏切られただけで、男はこれほど壊れることが出来るのです。トラビスの狂気へ向かう引き金を引いたのはベティなんです。その狂気の弾丸はニューヨークにはびこるクズを撃ち抜ける。
トラビスが銃を構え、鏡の前で「俺に言ってんのか?」と呟くセリフがある。そのセリフはトラビス自身に向けて放つ言葉なのですが、しかし、悩める現代人全てに当てはまる言葉でその銃口は見ている私たちに突きつけられているようにも取れます。
その秘めた過激なメッセージこそが、この映画が不朽の“名作”たる所以ではないでしょうか。

世の中を嘆き、夢も目標もない中2病を患ったままの二十代は絶対に見ろ!見終わると、妙な救済感を味わえます。そして、モヒカンへの憧れがほんのり芽生えるでしょう(笑)

疾走チェイサー