タクシードライバー

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説

マーティン・スコセッシ監督とロバート・デ・ニーロがタッグを組み、孤独なタクシードライバーの姿を通して大都会ニューヨークの闇をあぶり出した傑作サスペンスドラマ。ニューヨークの片隅で鬱屈した日々を送るベトナム帰還兵の青年トラビス。不眠症の彼は、夜勤のタクシードライバーの仕事に就く。彼は夜の街を走りながら、麻薬や売春が横行する社会に嫌悪感を募らせていく。ある日、大統領候補パランタインの選挙事務所で働く美女ベッツィと親しくなったトラビスだったが、初デートでポルノ映画に誘いベッツィを怒らせてしまう。密売人から銃を手に入れ、自らの肉体を鍛え始めたトラビスの胸中に、ある計画が湧き上がり……。当時13歳のジョディ・フォスターが売春婦役を演じて注目を集め、アカデミー助演女優賞にノミネートされた。第29回カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞。

1976年製作/114分/PG12/アメリカ
原題:Taxi Driver
配給:コロムビア映画
劇場公開日:1976年9月18日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第34回 ゴールデングローブ賞(1977年)

ノミネート

最優秀主演男優賞(ドラマ) ロバート・デ・ニーロ
最優秀脚本賞 ポール・シュレイダー
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映画評論

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写真:Moviestore Collection/AFLO

映画レビュー

4.5格差社会の現在、この映画にはまだまだ商品価値が…

2024年3月25日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

もう何度目の鑑賞が分からない位だが、
けだるい街の雰囲気とそれを浄化したい
主人公の想いを映像と音楽で描いた
見事なタイトルバックが懐かしい
キネマ旬報ベストテン第1位選出
(但し、アカデミー賞は「ロッキー」
「大統領の陰謀」「ネットワーク」「オーメン」に
さらわれ、
作品賞・主演男優賞・助演女優賞・作曲賞の
ノミネートのみで無冠)
の、マーティン・スコセッシ監督作品を
TV放映を機に再鑑賞。

今回の鑑賞で印象的だったのは、
そもそもがこの物語の登場人物については
全員がその不器用性が強調されており、
その結果、それぞれ正義と不義の
境目ギリギリの生き様を
見せていたことだった。
主人公の主人公は勿論、
売春少女や彼女のヒモの男性も、
少し社会状況が変わっていたら
別の生き様があったのではと
思わせるような人物描写だった。

日本でも同じような状況の人物による
同じような事件を多く目にする。
彼らが
もう少し優しい社会に触れていたなら、
売春少女が再生したように、
この作品の登場人物にも別の人生が
あったのではとの想像も。

中でも、この作品の主人公は
現状社会への苛立ちを
暴力で解消しようとした。
しかし、
少し前に観た、同じスコセッシ監督の
「エイジ・オブ・イノセンス」の主人公は、
愛する人への想いを阻害する
現状社会への苛立ちを
解消しないままにその人生を送った。
どちらがより良い選択だったか。
マーティン・スコセッシ監督は、
その両極端の事例を
我々に示したのだろうか。

また、監督は男女二人のこの先の関係を
どう想像させようとしているのだろうかと
改めてラストシーンを注目もしてみた。
しかし、彼女は立ち去る主人公のタクシーに
再度視線を送ることもなく、
さっさと自宅の階段を上がっていった。
事件を切っ掛けにお互いの理解が進んだかに
見えた二人ではあったが、
それを阻害する格差社会が眼前とあることを
監督は示したのだろうか。

そうだとしたら、
格差社会が何かと問題になる現在、
この映画にはまだまだ商品価値が
あるような気もした。

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KENZO一級建築士事務所

5.0ヤバい!

2024年3月17日
iPhoneアプリから投稿

何回観てもヤバいし観れば観るほどヤバい!

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tk

4.5否定と肯定の手のひら返し

2024年3月14日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

久しぶりに鑑賞。
初見当時は内容がよく分からず、モヒカン頭で演説会場を襲おうとする危ない奴の映画ということしか覚えてなかった。だが、歳を重ねたせいか、感想も変わってきた。

この映画は、ある意味「戦争」を描いたものとも言える。

行為を起こす者にとっては、相手の不義を正すという大義のもとに行われる「正義」だが、別の立場から見ると、圧倒的に認められない。しかも、その評価は、ちょっと見方が変わるだけで、肯定にも否定にも手のひら返しのように変わる。

主人公の「少女を救う」という大義は、世界の至る所で代理戦争を戦うアメリカそのものの大義のメタファーであり、戦争によって精神的に傷つき、自分の考える正義を歪に肥大化させた主人公そのものもまた、アメリカ自身のメタファーなのだろう。
主人公に「政治には詳しくない」と語らせつつ、大統領選挙をストーリーに絡ませるあたりも、挑発的だと思った。

銃の持つ重み、弾き飛ばされる指、描かれる血の生臭さがリアル。
繰り返されるテーマ曲のメロディは美しくセンチメンタルで、古臭さを感じないのに、後半につけられている効果音には、50年という時を感じてしまうのはなぜなのかが、自分としてはおもしろかった。

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共感した! 6件)
sow_miya

4.0PTSD

2024年3月13日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ベトナム帰還兵、ファンキーに歪んだ正義に、それはこれで怖いかも。

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多様性男女平等自由主義、5名作4良作3いい作品なので他は2以下です。

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