劇場公開日 1976年9月18日

「不条理な社会構造を映した傑作中の傑作」タクシードライバー メタユニバースさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0不条理な社会構造を映した傑作中の傑作

2022年12月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

1975年ベトナム戦争が終結し、その暗い影がアメリカ社会に蔓延していた。また、思想的には強い意志を持って主体的に生きること(実存主義思想)の限界から構造主義的思想へ転換した頃でもある。
この作品は、アカデミー賞を逃したがカンヌ映画祭ではパルムドールを受賞した。その理由は、アメリカ社会への痛烈な批判であると受け取られるならば当然の帰結であった。
しかしながら本作品は、アメリカのみならず現代社会の構造全体への痛烈な批判が込められたものであり、「社会は不条理ものである」と言う観点から見れば、未だ普遍性を持った傑作中の傑作である。

メタユニバース
マサシさんのコメント
2022年12月31日

正にそうだと共感します。
しかし、ベトナム戦争はベトナムに対する侵略行為でした。だから、その点を先ず語って、実存主義から構造主義の歴史をトラビィスで語るべきだったと思います。
その点が甘いので、僕は評価できないのですが、この映画に対する分析は貴殿のレビューが一番的確だと思いました。

マサシ