女優マルキーズ

劇場公開日:

解説

17世紀フランス演劇界の伝説的な女優マルキーズ・デュ・パルクの情熱的な半生を描いた伝記ドラマ。監督・製作は「カストラート」などの製作者で、『ルージュ・ベーゼ 15歳の恋』(V)のヴェラ・ベルモン。製作総指揮はアルド・ラド、リンダ・グーテンベルグ。脚本はベルモンとジャン=フランソワ・ジョスラン、マルセル・ボリューで、潤色にベルモンとジェラール・モルディヤ(台詞も)があたった。音楽は「ジャンヌ・ダルク(二部作)」の著名なバロック音楽演奏家ジョルディ・サヴァールがあたり、編曲・演奏・指揮を担当。撮影はジャン=マリー・ドルージュ。美術は「カストラート」のジャンニ・クワランタ。編集はマルティーヌ・ジョルダーノ、バラク・カリミ。衣裳は「カストラート」のオルガ・ベルルーティ。主演は「ブレイブハート」「愛のめぐりあい」のソフィ・マルソー。共演は「川のうつろい」(監督も)のベルナール・ジロドー、「妻の恋人、夫の愛人」のランベール・ウィルソン、「見憶えのある他人」のティエリー・レルミットほか。

1997年製作/120分/フランス・イタリア・スペイン合作
原題:Marquise
配給:セテラ(関西テレビ=セテラ提供)
劇場公開日:1998年3月21日

ストーリー

17世紀フランス。リヨンの貧民街に生まれた美しき踊り娘のマルキーズ(ソフィ・マルソー)は、当地を巡業に訪れたモリエール(ベルナール・ジロドー)に見いだされる。貧困ゆえに売春まがいのことまでさせられる生活から脱出するために、モリエールの劇団の看板役者グロ・ムネ(パトリック・ティムシット)の求婚を受け入れ、憧れの都パリへやってくる。野心に燃える彼女だが、演技力のなさゆえに幕間で踊る日々が続く。だが、その姿が目にとまり、なんと国王ルイ14世(ティエリー・レルミット)の城で芝居をすることに。彼女の美しさは国王も魅了した。そんな彼女に強く魅かれたのが宮廷人で新進作家のラシーヌ(ランベール・ウィルソン)。ひかれあうふたり。グロ・ムネの死を機にモリエールの劇団を離れたマルキーズ。ラシーヌは彼女のために『アンドロマック』を書き上げ、彼女も見る間に磨いた演技力で見事に演じ切る。かくして大女優として名声を得たマルキーズ。だが、栄光の陰でマルキーズは重圧からか身も心も変調。舞台への不安に押し潰されそうになり、さらにアンドロマック役を自分以外の誰にも演じさせないとラシーヌに誓わせたりするようになった。ある晩。妊娠を隠してまで三日三晩舞台に立ったマルキーズはステージで昏倒。昏睡状態から覚めた彼女だが、自分の代役を世話係の少女マリー(エステル・スコルニク)が果たしていることを知り愕然、屈辱とラシーヌの裏切りへの怒りのあまり狂乱に陥った……かくして、マルキーズの情熱的すぎる人生の幕が降ろされるのだった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0当時の芸能界の舞台裏を美しく描いた

2013年3月7日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

総合:80点
ストーリー: 70
キャスト: 85
演出: 85
ビジュアル: 80
音楽: 80

 日本でも大昔の踊り子とか演劇とか歌舞伎の女優といえば、舞台の後で売春行為をするものだったらしい。欧州でもそれは同じようで、地方の踊り子から女優になっていく過程で、現在とは明らかに異なる当時の舞台裏が他にもたくさん覗けてとても興味深い。このような設定や調査が良く出来ていた。
 そして衣装・セット・演技・踊り・音楽が質が高いまま融合していて、舞台の場面が見ていて美しい。それを撮影する技術も上手だった。全体として映像は美しく、それは例え庶民の街を描いている時ですら変わらない。そして物語はやや平凡だが、愛憎を織り込みながらもやはりちょっと耽美な美しさを持っている。特に前半の、ソフィー・マルソー演じるマルキーズがその美しさと踊りで貧困生活から、女優として羽ばたこうとしていく過程は良かったです。

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