劇場公開日 1996年3月20日

「素直にワクワクしよう!」ジュマンジ つとみさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5素直にワクワクしよう!

2024年1月14日
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鑑賞方法:DVD/BD

実は「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」を先に観てしまったのだが、先に観たからこそ面白い部分もあった。主人公がアラン・パリッシュなこととかね。

ま、それはそれとして今作最大の見所はゲームの影響で日常が破壊されていくスリル!
小さな町の出来事かもしれないけれど、プレイヤーだけがこのパニックを止められるという圧倒的ヒーロー感がたまらない。
行政機関や企業や無関係な大人たちが束になっても敵わない、ジュマンジプレイヤーだけの特別な冒険。この狭さがむしろ楽しい。なんたって余計なツッコミ不要。いろんなしがらみを無視して、ジュマンジをクリアする事だけに集中出来る。

基本的にアドベンチャー・コメディなので、現実に起こる騒動への対処がコミカルなのも良い。
90年代の作品で、CGやアニマトロニクスがまだまだ微妙なこともあり、ワニが出てくるシーンでは、「探検隊の栄光」を思い出し、藤原竜也が脳裏にチラついてしまった。
大丈夫、藤原竜也がチラついても全然面白いから!

ヘタレで臆病、消極的なアランを追い回すヴァン・ペルトをアランの父親と同じ役者さんが演じているのが興味深い。
「何故か僕を追い回してくる」「僕の何が気に入らないのか」とアランは言うが、ヴァン・ペルトはアラン自身が父親をはじめとする周囲の人間に対して抱いている感情の具現化だ。
自分の不幸の原因を外に求めてはいても、ヘタレな自分を一番嫌いなのは、アラン自身なのである。

「ジュマンジ」は現実世界から抜け出したい人のゲーム。現実には辛いこと、嫌な事が沢山ある。
でも現実世界の困り事は、経験から学ぶことで克服できるのだ。

きっとまたどこかで太鼓の音に誘われて、禁断のゲームを手にする者が現れるだろう。
彼らがどんな冒険を見せてくれるのか?
それを思うだけでワクワク出来る。こんな映画は最高だ。

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つとみ