エクスカリバー

劇場公開日:

解説

イギリスに統一国家を築いた伝説的人物アーサー王の波瀾の生涯を描く。製作総指揮はエドガー・F・グロスとロバート・A・アイゼンシュタイン、製作・監督は「エクソシスト2」のジョン・ブアマン。トーマス・マロリーの原作を基にロスポ・パレンバーグとジョン・ブアマンが脚色。撮影はアレックス・トムソン、音楽はトレバー・ジョーンズ、編集はジョン・マーリットが各々担当。出演はナイジェル・テリー、ヘレン・ミレン、ニコラス・クレー、シェリー・ランギ、ポール・ジョフリー、ニコル・ウィリアムソン、ロバート・アディ、ガブリエル・バーン、カトリーン・ブアマン、コリン・レッドグレーブなど。

1981年製作/140分/アメリカ
原題:Excalibur
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:1981年10月10日

ストーリー

戦乱の世の中。勇者たちは、われが王になろうと各地で争いを起こしていた。そんな様子を眺めている魔法使いのマーリン(ニコル・ウィリアムソン)は、次々と豪族たちを平定しているウーサー(ガブリエル・バーン)がいずれ王になるだろうと思っていた。強敵コンウォール(コリン・レッドグレーブ)との戦いの際中に、湖の精から王者の剣エクスカリバーを受けるウーサー。コンウォールと和睦することをマーリンに勧められ、実行にうつす。その祝いの宴で、ウーサーの美しい妻イグレーン(カトリーン・ブアマン)に心惹かれたウーサーは、望みを叶えるという条件でマーリンの協力を得て、一夜だけイグリーンを抱く。やがてコンウォールを倒し国家統一の偉業を成し遂げたウーサー。そして、マーリンが約束どおり望みのものを受け取りにやってきた。それは、何と、あの夜イグレーンがウーサーとの間に身ごもり、誕生した子供がアーサーだった。アーサーを連れ去るマーリンを追うウーサーは、森の中でコンウォールの部下たちに襲われ生命を落とす。その時彼は王者の剣エクスカリバーを岩につきたてた。それから18年。未だにエクスカリバーを岩から抜いた人物はいなかった。ある日、それをいともたやすく抜く者がいた。マーリンによって騎士の子として育てられていたアーサー(ナイジェル・テリー)だった。こうして王の資格を得たアーサーは、ランスロット(ニコラス・クレー)などの騎士を部下に王国を統一、キャメロット城を築き平和な国を建てた。彼は円卓の騎士を従えて理想に燃えていたが、そんな矢先、最愛の妻グエナビア(シェリー・ランギ)とランスロットが不義をはたらき、さらに、マーリンがコンウォールの娘でアーサーの義姉にあたるモーガナ(ヘレン・ミレン)によってドラゴンの腹の中に封じられてしまった。モーガナはマーリンの弟子となり魔力を身につけていたのだ。しかも彼女はその力を使ってグエナビアに変身しアーサーと交わり息子モードレッドをもうけてしまった。ランスロットは城を去り、グエナビアは修道院に入り、憔悴したアーサーは、生きる気力を失い、王国も暗黒の時代をむかえた。聖杯でワインを飲ませることが王を蘇らせるたった1つの道だと知った騎士たちは、その聖杯を探し求め、あらゆる土地に赴くが、想像を絶する苦闘が待ちうけ、次々に倒れる騎士たち。十数年後、1人の騎士パーシバル(ポール・ジョフリー)によってやっと聖杯が王にもたらされ、再び、生気を得るアーサー。すでにモーガナとモードレッドの権力の手中に入りはじめていた王国を取り戻すべく戦いを開始したアーサーに、ランスロット、マーリンらの協力も加わり、遂に敵を倒すのだった。その闘いで瀕死の傷を負ったアーサーは、しかし、安らぎに満ちた死をむかえるのだった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第34回 カンヌ国際映画祭(1981年)

受賞

コンペティション部門
芸術貢献賞 ジョン・ブアマン

出品

コンペティション部門
出品作品 ジョン・ブアマン
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映画レビュー

2.5ファンタスティック・アーサー

2018年11月6日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

寝られる

数あるアーサー王伝説映画の中でも本作は割りと昔から知っていて、勝手に名作だと思ってた。
今回初めて見てみたら、これが昨年公開されたガイ・リッチー監督作とどっこい。
もっとこう、格調高い英雄譚かと思ったら、なかなかの珍品中世ファンタジー。

父王~アーサー生誕から始まり、エクスカリバーを引き抜き、やがて偉大な王へ。
導く魔法使いマーリン、忠誠を誓うランスロットら円卓の騎士、妻グエネビア。キャメロット城。
有名なエピソード、登場人物。波乱に満ちた生涯。その最期まで、アーサー王の物語が一通り描かれている。
自分のようにアーサー王伝説についてよく知らない者にとっては有難い作りなのかもしれないが、豊富なエピソードを詰め込み過ぎてダイジェスト的になって、結局イマイチよく分からぬというあるあるに。
また、太古の大昔から存在する聖剣、魔法、万物の精、魔力などのファンタジー要素が本作をエンタメにする所か、トンデモな作風に。
脚色や創作ばかり目立ち、アーサー王の真の姿が全く伝わって来ない。

スケールは充分、映像もファンタスティック。
それらは悪くないが、演出やテンポは決していいとは言い難い。時の経過も雑。
特に残念なのは、アクションの迫力や迫真さが決定的なまでに欠けている点。スケールは充分なのに、史劇スペクタクルの醍醐味もあったもんじゃない。
失笑してしまいそうなシーンも所々に。
エクスカリバーを引き抜くも、一旦元に戻し、また引き抜くシーンはコントかと思った。
グエネビアとランスロットの不貞は官能的(?)な全裸ラブシーン。
異父姉の魔力シーンは怪作の極み。
途中から迷走半端無い。
アーサー王を演じたナイジェル・テリーは最初はミスキャストと思ったが、徐々に様になってくる。
キャスト面でのお楽しみは、ヘレン・ミレン、ガブリエル・バーン、パトリック・スチュワート、リーアム・ニーソンらの若かりし頃。

そこそこ楽しめる点もあったが、トータル的に見れば、ダラダラと退屈で面白味に欠けた。
期待外れのアーサー王伝説であった。

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近大

3.0アーサー王と円卓の騎士

2018年11月5日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 王が存在せぬ暗黒時代のこと。ウーサー卿はせっかくコンウォールと休戦条約を結んだというのに、彼の妻イグレーン(カトリーン・ブアマン)を欲し、攻撃を開始する。そこで魔術師マーリン(ニコル・ウィリアムソン)に頼み、コンウォールの顔そっくりとなりコンウォールの城に忍び込む。その頃、本物のコンウォールは合戦で絶命し、イグレーンは男の子を身ごもる。9か月後、マーリンはその子アーサーを報酬として引き取り、彼を追ったウーサーは王者の剣エクスカリバーを岩に刺して、親衛隊に殺される。

 岩に刺さった剣は誰にも抜けない。抜いた者こそ王になる男とマーリンは予言する。そして成人したアーサー(ナイジェル・テリー)が剣を抜いた。多くの騎士が彼についてゆき、負け知らずの優秀な騎士ランスロット(ニコラス・クレイ)も得て平和な国を作り上げた。平和とはなったが、アーサーの妻グィネヴィア(チェリー・ランギ)がランスロットと不貞をはたらき、アーサーの異父姉モーガナ(ヘレン・ミレン)が魔女となり、復讐の意味をこめてマーリンから術を奪う。そこで、グィネヴィアに成りすまし、アーサーと関係を持って男子モードレッドを授かるのだ。

 アーサーは不貞を発見した時、エクスカリバーを捨ててしまう。そのおかげで豊かだった土地も荒れ果て、疫病が蔓延。彼は聖杯を探すよう騎士たちに命じ、数年経ったが、皆モーガナとモードレッドの土地で呪い殺されてしまう。そしてランスロットの弟子であるパーシバル(ポール・ジェフリー)が生き残り、キャロット城へと帰り、アーサーに聖杯で水を飲ませる。生気を取り戻したアーサーは王位を狙うモードレッドに戦いを挑むのだった・・・

 史実を追うような歴史ドラマではなく、魔術師マーリンを中心としたファンタジックな映画。ヒーローとしてのアーサー王より人間らしい個人を描いた映画。若き日のヘレン・ミレンもそうだが、チョイ出のリーアム・ニーソンもいい。

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kossy
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