劇場公開日 1968年12月31日

「ATGのやなとこ全部盛り映画」さらば夏の光 因果さんの映画レビュー(感想・評価)

1.5ATGのやなとこ全部盛り映画

2022年5月14日
iPhoneアプリから投稿

ポーランドの美しい風景がさまざまな画角から切り取られている。しかしそれは絵はがきのようなものでしかない。綺麗な夕陽です、煉瓦の街を走る電車です、憂愁を湛えた砂浜です、終わり。しかもそのほとんどがうんざりするような長回しで撮られているのだから退屈で仕方ない。そしてその緩慢な映像の上を、登場人物たちのモノローグが冷たい風のように通り過ぎていく。映像と言葉はほとんど干渉し合わない。まるでカラオケの背景映像と歌詞のようだ。物語それ自体もあんまりパッとしない浮気話だったし、そういやATGってこういうハズレ枠もいっぱいあるよな…と再認させられた。

因果