富江 BEGINNING

劇場公開日:

解説

「富江 最終章-禁断の果実-」から3年ぶりに製作された人気ホラー・シリーズ。殺しても死なない美少女・富江をめぐり、人間のエゴと欲望が錯綜する。今回富江を演じるのは、ドラマ『エースをねらえ!』の松本莉緒。第1作目を監督した及川中が再びメガホンをとる。

2005年製作/74分/日本
配給:アートポート
劇場公開日:2005年4月9日

ストーリー

荒れ果てた廃校に足を運んだ松原礼子(今宿麻美)。教室の扉を開けると、そこには山本健一(水橋研二)が机に座っていた。彼らは、県立新生高校1987年度3年C組の同窓会の招待状によって、ここへ来たのだ。12年前の1987年、3年C組に川上富江(松本莉緒)が転校してきた。それまで平和で平凡なC組は富江の存在により、微妙なバランスのズレをきたす。男子生徒たちがとり憑かれたように富江の虜となり、奈津(菜葉菜)の彼氏である拓巳(杉内貴)もが、まるで魔法にかけられたように富江に心を奪われてしまう。奈津を中心とした女子生徒たちの嫉妬が頂点に達していた中、礼子だけは違っていた。そんな礼子の心を読みきっていたかのように、富江は礼子に友達になろうと近づいてくる。クラス中の冷たい視線を浴びる富江と付き合うことは、即ち自分自身も冷たい視線を浴びることになるが、その魅力に引き込まれた礼子は次第に富江と行動を共にするようになる。女子生徒たちから仲間はずれにされ、いじめられる富江は、彼女たちへの復讐を誓う。男子生徒たちを惑わして自分のしもべの様に扱い、彼らを使ってゴキブリ紅茶や蟲入りクッキーを奈津たちに無理やり食べさせようとする。そんな中、富江の魔性に精神を侵されてしまったのか、常軌を逸した男子生徒3人組が刃物を持って富江と礼子を取り囲む事件が起こる。3人は冗談ではなく本当に富江を殺そうと刃物を振りかざし、富江の右耳を切り落としてしまう。痛みに苦悶の表情を浮かべる富江を気遣う礼子は、我が目を疑うものを見てしまう。それは、切り落とされた富江の右耳が、まるで足が生えた小動物が動き回るように、草むらの中へと消えてしまったのだ。しかし富江の耳にあてがわれた包帯を取ると、なんと切り落とされたはずの耳が傷跡も無くきれいに付いているのだ。礼子は富江が人間ではないことを悟る。クラス中の男子生徒はおろか、高木教諭(森下能幸)までもが富江に狂わされてしまう。唯一、富江の魔性に免疫を持っていたかのような健一までもが、徐々に全身に毒が回るかの狂い始めていく。そんな健一が誤って富江を崖から突き落としてしまう。高木教諭は絶命した富江の死体をクラスの人数分に解体し、生徒一人ひとりが死体を処分するよう指示を出す。ある生徒はゴミ捨て場に、ある生徒は川に、ある生徒は焼却炉に、富江のバラバラにされた死体を処分していく。翌朝、教室の富江の机の上に花が供えられている。次の瞬間、教室の扉が開く。そこに立っていたのは、富江だった……。

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