劇場公開日 2004年7月31日

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「舞台中継」父と暮せば よしたださんの映画レビュー(感想・評価)

1.0舞台中継

2016年10月11日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

笑える

悲しい

 宮沢りえと原田芳雄の芝居が圧巻。
 現代の日本を代表する女優といってもよい宮沢の映画を観るのは、意外なことに初めて。若い頃のイメージで、こちらで勝手に「TVの人」だと決めつけていたことを恥ずかしく思う。自分と同世代の随一の映画女優である。

 主演二人の素晴らしい芝居のおかげで、良い舞台を映像で見せてもらえた幸福感を味わえる。
 しかしながら、井上ひさしの戯曲を映画にするからには、もっと映像表現で戦争や親子の情愛を語ってもらいたい。無駄にカメラが動くし、やたらと全てを照らそうとする照明も不自然。舞台中継の域を出ていない。

 瓦礫に埋もれて動けない父親と、それを見捨てては行けない娘のじゃんけんの場面に、この映画に対する全ての不満を忘れた。

佐分 利信