海は見ていた

劇場公開日:

解説

江戸・深川の岡場所を舞台に、遊女たちの逞しくも哀しい生き様を描く、黒澤明の遺稿を映画化した人間ドラマ。監督は「日本の黒い夏 冤罪」の熊井啓。撮影を「日本の黒い夏~」の奥原一男が担当している。主演は、「田園のユーウツ」の清水美砂と「日本の黒い夏~」の遠野凪子。日活創立90周年記念作品。

2002年製作/119分/日本
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント=日活
劇場公開日:2002年7月27日

ストーリー

江戸・深川の岡場所にある”葦の家“の若い娼婦・お新は、女将さんや姐御肌の菊乃らから「客に惚れてはいけない」と遊女の哀しい掟を教えられていたものの、刃傷沙汰を起こし勘当された身でありながら彼女の元に通い詰める房之助に想いを寄せるようになっていた。だがある日、勘当を解かれた報告にやって来た房之助は、別の女性との婚礼をお新に告げる。実は、彼はただ勘当の身の辛さを忘れる為だけにお新の元に通っていただけなのだった。絶望の日々の中、お新の前に謎めいたひとりの青年・良介が現れる。良介の不幸な生い立ちを知り、自暴自棄になっていた彼を励ますうち、再び客である良介に惹かれてしまうお新。そんな夏のある日、深川を嵐が見舞う。激しい雷雨、川の氾濫、高潮……逃げそびれた菊乃とお新は屋根へと避難するが、そこへ一度は火事場泥棒にやって来た菊乃のヒモ・銀次を殺害しほとぼりが冷めるまで上方に逃げた筈の良介がふたりを助けに引き返して来た。しかし、壊れかけた舟の定員はふたり。迷わず残ることを決めた菊乃は、ふたりを見送ると満天の星空をひとり見上げるのだった……。

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