野獣の青春

劇場公開日:

解説

大藪春彦原作『人狩り』を「危いことなら銭になる」コンビの池田一朗と山崎忠昭が共同で脚色、「探偵事務所23 くたばれ悪党ども」の鈴木清順が監督したアクションもの。撮影は「さすらいのトランペット」の永塚一栄。

1963年製作/91分/日本
配給:日活
劇場公開日:1963年4月21日

ストーリー

連れ込み宿で男と女が死んでいた。男は竹下公一、現職の刑事だった。数日後、盛り場のチンピラたちをやっつけてまわるカッコいい風来坊が現われた。たちまちジョーというその男は野本組の用心棒におさまりのし歩いたから、野本組と睨み合っている三光組の小野寺や武智をひどく刺激した。野本組には麻薬につながるコールガールの大がかりな組織があり、それを操る謎の支配者がいるらしい。竹下の四十九日の法事の日ジョーが未亡人のくみ子に挨拶しているのを刑事の広川は見た。ジョーはもと刑事、ふとしたことから免官されグレてしまったのをなにくれとなくかばったのが同僚竹下だった。その夜、いつものように野本らと麻薬商柴田との取引きがあった。帰途柴田は武智に売上げの一千万円を強奪された。柴田が刑事時代のジョーを思い出し、たちまちとりおさえられたジョーはむごい拷問に苦しみうめいた。ジョーが三光組に秘密を教えてやったとドロを吐いたから、逆上した野本は武智を射殺させた。すぐに三光組が逆襲して来て凄絶な射ち合いとなった。乾分たちが次々と倒れ、野本の一弾は小野寺の胸を貫いた。血まみれの小野寺は爆弾を積んだ自動車で野本組の真中へ突っ込んだ。建物が人が一瞬のうちに吹っ飛び、硝煙がうすれると動いたのはジョーと野本だ。「竹下を殺ったのは誰だ」野本をしめあげたジョーは絶叫した。息もたえだえの野本の口からもれたのは意外にもくみ子。野本の情婦だった彼女は警察の逆スパイとなって竹下と結婚し、コールガールを牛耳っていた。それがバレそうになったので、麻薬中毒のコールガールと竹下を無理心中させたのだ。竹下の家にのりこんだジョーの眼ははげしい憎悪に燃えていた。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0鈴木清順監督・宍戸錠主演の優れもののハードボイルド映画。川地民夫と渡辺美佐子の演技も印象深い。

2023年7月29日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

知的

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Kazu Ann

3.5ジョーの"ラストマン・スタンディング"

2021年5月5日
iPhoneアプリから投稿

楽しい

興奮

ウォルター・ヒルは黒澤明の「用心棒」では無く鈴木清順の本作にオマージュを捧げたように思われる個人的な感想!?

突拍子もなく雑でメチャクチャな演出描写がありながら脚本がシッカリしているのか、物語の展開に凝った演出が伺える初期清順作品としては珍しい面白さ。

世渡り上手な宍戸錠の全く動じない態度に無理がありながら周りのギャングの為体、川地民生のサイコチックなキャラが活きてくる。

ラストの電話口で動機を語りながら終わる場面に、この時代の斬新さを感じる。

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万年 東一

5.0椿の赤

2018年3月17日
iPhoneアプリから投稿

3度ほど観ているが。見る度に良くなる。当時の東京の風景にハードボイルド的なロケーションを無理に構築するミスマッチ度が時間を重ねるほど新鮮に映る。ストーリーの迷宮にもがくような宍戸錠の捨て鉢な佇まい、虚無的表情が清順ワールドなのかも。キャストも捨て駒なしで魅了される。赤い椿が目にしみた。

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sway

4.0珍しいハードボイルドの秀作

2016年6月2日
PCから投稿

興奮

知的

難しい

宍戸錠が活躍するカッコイイ映画でした。
ハードボイルドものはいいものがありそうで中々ないので貴重な映画だと思います。
内容はかなり不雑で前に何があったかとか、今、何しに来てるんだとか思い出しながら見てないとロスト・イン・ストーリーになりそうでした。
面白かったです。

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タンバラライ
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