劇場公開日 1980年3月15日

「民子3部作③」遙かなる山の呼び声 mark108helloさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5民子3部作③

2022年5月4日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

山田洋次の描く移り行く日本の景色。この作品は高倉健と言う俳優の話から映画仲間に勧められて初見した作品。山田洋次と言う監督に偏見があった。山田が出て来た頃、ATG系全盛期であり、山田が描く失われゆく日本の風景を小津から引き継いで行く時期に、その失われる風景に目を背けそこから逃れようとしていた自分がいた。その約十年後、ATG系の後を継ぐニューシネマは都市部近郊の若者たちの喪失感を描くことで山田とは真逆の視点で都市化を(故郷の喪失)を描き始める。山田の持つ計算されつくしたミニマリズムを見もしないで嫌悪していたが、この一作で山田の実力を思い知らされた。高倉健も倍賞千恵子も子役の吉岡も脇役のハナ肇も実に見事に輝かせて見せた。脱帽である。

mark108hello