劇場公開日 1988年4月9日

肉体の門(1988)のレビュー・感想・評価

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3.5他のも見たくなる

2022年11月24日
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まゆう

4.0観終わった時、本作とバブル崩壊の相似形を2022年の現在に感じた 本作と同じ予感を感じるのだ

2022年1月8日
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鑑賞方法:DVD/BD

1988年公開
正にバブル最高潮の最中

内容は戦後すぐの混乱期のお話だが、色彩や衣装、ヘアスタイル、享楽と退廃にバブルの雰囲気が滲んでいる

そして冒頭とラストシーンは現代の新宿副都心の超高層ビル群が写される
これは一体何を意味しているのだろう?
恐らく、戦後の繁栄は本作の内容のような焼け跡から出発したのだと言いたいのだろう
冒頭のナレーションはそれだ

本作の舞台は銀座辺りだから、新宿の超高層ビル群では場所が合わない
繁栄の象徴としてふさわしい絵になる新宿副都心を撮影したのだろう

しかし、21世紀の私達が本作を観ると違う意味を発しているように受け取れてしまう

それはバブル崩壊の予感だ

バブル崩壊は本作から数年後
日本経済が焼け野原のようになるのは10年後のことだ

この野放図なバブルという繁栄がいつまでも続く訳がない
そんな不安が本作に込められているように思えてならない
戦前の大日本帝国のように一挙に崩れさる脆いものかも知れない
そんな不安が漂っているように感じるのだ

それが本作を観る21世紀の人間に、本作はバブル崩壊で経済的な焼け野原になった日本を描いているように感じさせるのだ

不発弾の1トン爆弾は、損失飛ばしや不適切経理で隠しこまれた巨額損失や不良債権を暗喩しているように見えてしまうのだ

関東小政達の女の有り様は、非正規で取り残されていった氷河期世代とオーバーラップして見えてくるのだ

未来のことなんて誰にも分からない
本作の時点で10年後にそのような事になるなんて誰も予想すらしていなかったのだ
五社監督だって、これっぽっちもそんなことは、考えてもいないことは百も承知している

太平洋戦争の序盤のように破竹の勢いで、世界を丸ごと買い取るようなジャパンアズNo.1の時代
しかし日本の地価総額が全米のそれを上回ったとかニュースで流れたりした
さすがにそれはおかしい
行き過ぎていると誰もが思い始めていた
それでも野放図な巨額投資や、採算を考えていない巨大計画
そんなものが横行し始めてバブル崩壊に至る不良債権の不発弾が沢山仕込まれていたのが、考え見ればこの頃だったのだ

五社監督はその匂いを嗅ぎ取っていたのかも知れない
それが本作の演出に滲んでいるように感じてしまうのだ

廃墟となった銀座のビル群の外観や、袴田マーケットの闇市の再現度合いは素晴らしい
本作で一番素晴らしいのはこれかも知れない

とはいえ、やはり五社監督がやりたかったのはただひとつ、女達の赤裸々な生態だ
裸の女優を美しく撮ることだ
小政に旭日旗を毛布代わりに使わせたりするシーンもあるにはあるがそんな政治的なことや、バブル崩壊の予感なんて監督にはなんの関心もないのだ

さすが五社監督と感嘆する今風に言えばエモいシーンが多い
そこに本作の力点があるからだ
かたせ梨乃との名取裕子とのタイマンは語り草のシーンだろう

名取裕子の登場シーンは、どれも主役のかたせ梨乃を食っているほど印象に残った

ただ関東小政の仲間の面々の演技は、申し訳無いがわざとらしく臭くて頂けないなど、映画全体としての印象は今ひとつとなってしまうのはとても残念だ

本作とバブル崩壊の予感
そんなものはただの妄想だ
でも焼け野原の東京の荒廃した光景は、それを連想させるのだ
バブル崩壊から20年も過ぎ去っても焼け野原はまだあちこちに残っている
不良債権や不適切経理の不発弾の御本尊を抱いた廃墟ビルもまだある

バブル崩壊から20数年
なんとかここまでだましだましやり過ごしてきた
しかし、その巨大な不発弾が爆発するかも知れない予感がするのだ
本作のラストシーンのように

今また野放図に膨れていく財政赤字
コロナ禍でいくらでもお金がいる
財政出動しないと疲弊した経済が死ぬかも知れない
MMT理論が正しいという主張も聞くが、本当に大丈夫なのだろうか?

このように本作を観終わった時、本作とバブル崩壊の相似形を2022年の現在に感じた
本作と同じ予感を感じるのだ

それはまたも焼け野原になる予感だ

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あき240

5.0名取裕子の貫禄と存在感

2021年4月29日
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鑑賞方法:DVD/BD

マツコが五社秀雄監督が好きらしくて、本(たしか『あまから人生相談』)にもこの作品や「吉原炎上」の名前が上がってまして。とりあえず、こっちを観ました。3、4年前かな。

主演のかたせ梨乃もさることながら、脇が豪華。ナニゲに一番刮目してしまったのは、松居一代です。若いとき、綺麗ね、、いや今が綺麗じゃないという訳じゃないんだけど(笑)
アウトデラックスで知った山咲千里、出てましたっけね(!) これは、、もっかい鑑賞せねば?
それよりなにより、思わず生唾をゴックンしてしまったのは名取裕子姐さんですよ。
あまりの存在感に度肝を抜かれて、目が釘付けになってました。最近の二時間ドラマとかでしかこの人のことを知らないでいたのは、勿体なかったです。

今現在のように、清純派~そうでもない派~グラドル~セクシー女優、と棲み分けがかなり進んだ時代と違って、「吉永小百合かそれ以外か」ぐらいの区分けしかない時代(と言うと乱暴だけど;)の女優さんって、傑物が多いですね。(事務所とか)守ってくれるものも少ない、己で己の身を守るしかない時代。 SNSのストレスみたいなんは無いけど(笑)

西川(仁支川)峰子とかね。また「かりそめ天国」で、氷入りの白ワインという、強いんだか弱いんだかよくわかんない呑みっぷりを披露してほしいわ。

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yolanda

3.5話がすごい。

2020年2月7日
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鑑賞方法:VOD

吉原炎上の二番煎じ、という感じで、濡場はより濃厚に、女たちはより強烈になっている気がして、私にはそれがちょっと嫌だった。最後爆発して振り向くシーンは笑っちゃう。完全に吉原炎上のリメイク!そして長すぎ!!コントかよ!!現代バージョンでリメイクして欲しいけどやれる役者がいないだろうな。片瀬莉乃ほどのかっこよさ、スタイル(あの豊満な胸‥)、何よりもあれだけ曝け出してできる女優さんはいないよ。
しかしどんだけ不幸なの。救い用がないよ。野火見ても同じこと思ったけど、これぞ人を恨まず戦争を恨め、ってことだね。

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いつこ

3.5過去の『肉体の門』作品よりもわかりやすい。

2019年9月2日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 パンパンとはインドネシアの言葉で「可愛い女」という意味らしい。戦後直後の荒廃した東京。1トン爆弾をご本尊として崇められていた廃ビルに女たちが米兵相手に体を売って金を稼ぎ、その場所に「パラダイス」というダンスフロアを作ろうと夢見ていた。ある時、戦争未亡人だと名乗る町子がやってきて仲間にしてほしいと近寄ってきた。しかし彼女は・・・といった展開。

 GHQ、進駐軍がもたらした産物だといっても過言ではない。彼女たちのような存在、さらに闇市を仕切るヤクザ、戦争がもたらしたものは悲惨な死だけではなく、人々の心さえ奪っていく。正直に生きていても強者に全てを吸い取られていってしまう世の中なのだ。

 「誰が戦争を始めたんだい?誰が勝手に負けたんだい?」などという彼女たちは自分たち「女の戦争」を戦っていたのだ。

 五社英雄監督しては珍しく社会派ドラマ。ある意味、監督自身が不幸な少年時代を味わっていたとも感じられ、自身の経験をも生かした作品に仕立てあげたと思われる。過去作と比べてもヌードや濡れ場が少ないし、ヤクザや米兵に対する恨みが感じられるのだ。これで山咲千里、長谷直美、芦川よしみが脱いでいたら満点を献上したいほど・・・

ヌード:かたせ梨乃、西川峰子、加納みゆき、他

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kossy

4.0関東小政ここにあり!!

2018年11月22日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

楽しい

寝られる

タイトルからずっとエロ映画だと思っていました、すみません。シンシティのオールドタウンや、TOKYO TRIBEのGIRAGIRAガールズのような感じですが、それらより女性たちをもっともっと深く描いています。焼け野原に生きる人々の生活や不発弾もあるので、フォールアウト3が好きな方も興味深いと思います。生きた日本史を描いた、現在では作る事ができない重要な映画で、日本文化にとっては、まるでナショナルシアターの劇のような格があると思います。1988年に終戦直後感をこれだけ再現したのは本当に凄いですし、「敦煌」が上映された頃なので邦画がイキイキとしていた時代ですね。かたせ梨乃も名取裕子も格好良かったです。闇市のボス・袴田がMP相手に日本語で怒鳴り散らすシーンは流石に格好悪かったです。ストーリーよりも雰囲気重視な気がしますが、パラダイスの話はもっと具体的に進めても良かったと思います。ラストはお決まりの様式美という感じで、度々映画化されたのはシェイクスピアに通じるものがあるからだと思います。CanCamという小学館の女性誌がありますが、パンパンに由来していると思います。

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*.꒰ঌ𝔸𝕟𝕘𝕖𝕝𝕠໒꒱.*

4.5女の強さと美しさ

2018年10月17日
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興奮

Netflixにあったので見ました。
戦後の日本で必死に生きている女性たちがひたすら格好良い。
迫真の演技。今は絶対にこんな映画は撮れない。
平成最後に見れて良かった。

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セツ

3.0美しい

2018年4月17日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

興奮

鈴木清順版が有名な田村泰次郎原作の戦後混乱期の女性たちの話で、監督は五社英雄。
男たちの起こした戦争で大変な目に遭っている女性陣のボスはかたせ梨乃、敵対する女ボスが名取裕子、この二人がとても美しく、見とれてしまう。
女の世界も男同様、滅びの美学というのは。

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いやよセブン