どぶ鼠作戦

劇場公開日:

解説

「地獄の饗宴」の岡本喜八が脚本・監督したアクションもの。撮影は「旅愁の都」の逢沢譲。

1962年製作/102分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1962年6月1日

ストーリー

北支最前線の三元守備隊は完全に孤立の状態だった。師団司令部から派遣された新任の参謀関大尉は、三元より約二五粁西の元頭で作戦を指導中、八路の大軍に襲われて行方不明となった。師団長は大尉救出隊の編成を急いだ。その隊長に、特務隊長の白虎が選ばれた。そして白虎が選んだのは、脱走常習犯の林一等兵、食事を盗んだ兵を撲殺した空手三段の三好炊事軍曹、その軍曹を仇と狙って炊事場へ手榴弾を投げこんだ穴山上等兵、忍術研究中の佐々木二等兵の四人だった。救出隊五騎は、関隊が全滅した老頭に行った。そこには敵の密偵隊長の無双が白虎を待ちうけていた。白虎と無双は時々情報を交換してお互に利用しあっていたのである。無双は関大尉が師団長の息子で、百万元の身代金がかかっていることを知り、白虎は関大尉が捕えられて四風の野戦病院に、いることを知った。白虎隊は、八路軍が散在している五十里向うの四風に、ある時は無双隊を名乗り、ある時は敵兵に変装してたどりついた。折しも、四風は陣中結婚式ににぎわっていた。一同はその中にまぎれこんだ。日本機の爆撃があり、三好軍曹は重傷をおった。そのすきに無双は関大尉をうばって逃げたが白虎に追われ、対決の末に射殺された。白虎隊は関大尉をつれて逃げる途中八路軍の追撃をうけどぶ鼠のように逃げた。重傷の三好軍曹は仲間を助けるために敵軍と単身戦って死んだ。一方、日本軍は作戦を変更し三元を撤退することになった。正規軍とみとめられない白虎の手兵は死守部隊として三元に残された。やがて怒濤のようにおしよせて来た八路軍との間に激しい戦闘が始まった。一度捕虜になった身を今さら部隊に戻ることも出来ない関大尉を先頭とする六名はそれを知ると馬をとばして戦闘の中に飛びこんでいった。撤退中の元三元守備隊長正宗中尉も日本軍の非情に腹を立て、軍人廃業を宣言すると六名の後を追った。部隊の指揮を託された大森見習士官は落ち着きはらって部隊を戦闘隊形に直すと、軍の方針もあらばこそ、これもまた三元めがけて攻撃に向うのであった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0「日本のいちばん長い日」の原形は本作において既に芽生えつつあったのだ

2020年10月26日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

独立愚連隊シリーズは8作あることになっている
1. 1959年10月 独立愚連隊
2. 1960年10月 独立愚連隊西へ
3. 1962年6月 どぶ鼠作戦(本作)
4. 1962.年10月 やま猫作戦
5. 1963年7月 独立機関銃隊未だ射撃中
6. 1963年9月 のら犬作戦
7. 1964年4月 蟻地獄作戦
8. 1965年9月 血と砂
その内、岡本喜八監督作は1、2、3、8の作品

どれも痛快戦争アクションの娯楽作だが、左翼の皆さんには受けが良くない
中国共産党の軍隊八路軍が敵であることが我慢ならないらしい
娯楽作品までイデオロギーを持ち込んで批判するなんてどうかしている

第一作から人気がでて尻上がりにヒット
本作は大ヒットになったという
大衆は圧倒的に支持したのだ

内容は前作よりより見応えがあるように、複雑に込み入って組み上げられているのだが、それが却って前作のような問題無用の痛快さが足らないと思わせてしまうのは確かだ

物語は新任の若手参謀が八路軍に拉致されてしまう
これを佐藤充が演じる特務機関員が、軍法会議に送られる途中の素行不良の兵隊を臨時でリクルートして救出に向かうというもの
そこに身代金目当ての馬賊が絡むというもの

小気味よいカット割でサクサクと進む
土手から飛び降りると、その次には馬に跨がって駆け出しているカット割などは痺れるような映画的快感を味わえる

なんとなくストーリーの骨格は前作と似ているのだが、観ている限りはそう似ているとも感じ無い
佐藤充がリーダーとして縦横無尽に活躍するからで、自由きままな独立愚連隊という性格は本作の方が強い

娯楽作品ではあるが、しっかりと反戦のメッセージは発している

負傷して捕らわれている参謀に、日本に留学して医学を学んだという中国人が、参謀が自殺しようとするのを止めてこんな事をいう

「くどいようですが、あなたは立派に死を選んだとは思いませんよ
生きて帰っても、日本軍軍法会議で銃殺、とまでいかなくても自殺を強要する
貴方は卑怯者と言われるのが怖いんだ!
それよりも敵の真っ只中で潔く死のう
貴方には死に方を綺麗に見せようという虚栄心しかないんだ!」

図星を突かれて参謀は布団を被って顔を隠してしまうのだ

これこそ、「日本のいちばん長い日」で本土決戦を叫ぶ青年将校達の正体だ
「日本のいちばん長い日」の原形は本作において既に芽生えつつあったのだ

これが反戦メッセージが無いと批判されるべき映画といるとは絶対に思えない

それは中国共産党への盲目的な忠誠心でしかない
そんな考えが却って日本を戦争に追いやっていると、それこそが批判されるべき態度だ

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あき240

3.5独立愚連隊

2017年7月28日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

笑える

楽しい

八路軍に捕まった参謀(夏木陽介)救出隊が編成され、隊長は特務隊長(佐藤允)が、メンバーは兵隊に飽きたと言う脱走常習者(加山雄三)など変わった兵士ばかり。
独立愚連隊シリーズだと思うが・・・。

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いやよセブン

3.0キハチの中国戦線もの

2014年2月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

キハチの中国戦線ものにはハズレがない。ただ今作はちょっと不発感が。嫌な上官がいないので、不条理な軍国主義へのパンクな姿勢が弱い。いつも心地よい馬賊感が弱い。多分中国語が出てくる量は日本映画史上屈指。キハチ版探索者なお話。

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ssspkk
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