早春物語

劇場公開日:

解説

17歳の少女が春休みに体験した恋、同級生との交流を通じて成長するさまを描く。赤川次郎の同名小説を「刺青(1984)」の那須真知子が脚色。監督は「Wの悲劇」の澤井信一郎、撮影も同作の仙元誠三がそれぞれ担当。

1985年製作/96分/日本
配給:東宝=角川春樹事務所
劇場公開日:1985年9月14日

ストーリー

沖野瞳は鎌倉北高校写真部所属の17歳。瞳の母は数年前に死亡し、もうすぐ父は大宅敬子という女性と再婚することになっている。春休みになり、写真部のテーマ「春--来たりて去る」のため、瞳はカメラをかかえて鎌倉の町を歩き、とある寺の参道前で格好の被写体を見つけた。だが駐車している車が邪魔っけだ。その車をどけてもらったことがきっかけで、瞳は梶川と知り合った。彼は42歳の独身男性で、アメリカでクズ鉄の行商をしているという。数日後、鎌倉駅で仲良しの麻子と会った瞳は、恋人に会うという麻子への対抗上、自分もデートするんだと言った。そして、梶川のオフィスに訪ねていった。梶川は上司の竹中常務がガンのために会社をしりぞいたので、社内の出世コースからはずれ、アメリカ支社の不振の責任を全部おしつけられようとしていた。梶川は彼女をパーティに誘った。そこで、石原貴子という女性が梶川になれなれしいのを見て、瞳は嫉妬めいたものを感じた。母の命日の墓参りからもどった瞳はアルバムを見ていて、母と一緒に梶川らしい男が写っている写真を発見した。看護婦をしている母の友人松浦純子に会い、20年前に母と梶川はつきあっていたが、梶川は母と仕事をはかりにかけて、母を捨てたのだと聞かされた。複雑な気持で瞳は梶川と箱根へドライブをし、かつて母と梶川が写真を撮った同じ場所へ行く。心おちつかぬ様子の梶川。その夜、ワインを飲んですねる瞳を梶川は抱きキスをした。それからしばらくして、瞳はかつて母と梶川がデートした思い出の喫茶店に彼を呼び出して詰問した。夜、梶川は20年前の真相を語った。母と彼は愛しあっていたが、母の友人も彼に恋していて、二人の仲を知ると絶望して自殺した。それで、二人は結婚をあきらめたのだという。同級生の真佐子が教師の横谷と心中死した。真佐子の葬式の後、瞳と梶川は海岸を散歩し、梶川は今の会社をやめ、友人の会社に入ってやり直すと語った。梶川は瞳の父に事情を話し、瞳に愛していると伝えてくれ、そうすれば彼女の自分に対する恋心もなくなるだろうからと頼んだ。成田空港からアメリカにたとうとしていた梶川の前に瞳が現われた。梶川は君を本心から愛してると言った。新学期が始まり、経験しちゃったという麻子に、瞳はそれだけじゃ女になれないのよと答えるのだった。

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映画レビュー

3.0バブルの前後。

2023年7月25日
iPhoneアプリから投稿

85’バブル前夜。
会社と仕事は厳然と有り、男はそれをやるか?やらないか?を自分で決められた幸福な時代。
程無く来るバブル崩壊後は無くなる会社と仕事に男は慄き群がりしがみ付いたのだ。
この生臭い林隆三と97’失楽園で虚ろな役所広司の異質で正反対の幼児性を対置して愛でたい。

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きねまっきい

4.0原田知世、炸裂‼️

2022年8月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

原田知世が輝いてました。
良かったです。

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tuna

4.5角川映画の世界観

2022年3月21日
iPhoneアプリから投稿

当日鎌倉の高校に通う高校生だったので、映画のロケを何度も見に行きました。
役者さんの醸し出すオーラもあり、撮影現場の雰囲気も良く現場の1カットだけでも映画の中に引き込まれていきました。
作品は、角川映画の世界観がしっかりと出ていてあの時代の素敵な日本をしっかりと映像化しています。
なかなか今ではこんな作品出てこない貴重な映像作品だと思います。

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ホワイトサンド

3.0THE 角川映画

2020年2月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

萌える

原田知世が大好きだったので、写真集とレコードは持っていましたが、今作は小学5年生の時に背伸びして鑑賞したかった作品です。やっと鑑賞できた!気がついたら、大人になる事を拒否するロリコンに染まった国になってしまいましたが、この時代は早く大人になりたくて堪らない少女ばかりだった気がします。私もそうでしたし、周りもそうでした。当時のアイドルは今のアイドルよりも大人びていて、憧れでした。角川映画絶頂期+バブル期に相応しい臨場感を味わえます。

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ミカ
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