女衒のレビュー・感想・評価

数年前に鑑賞。
(確か楢山節考とセットで借りた)

何と言うか、、すごく骨太な世界です。
古い邦画の何がいいって、やっぱり、昭和のギラギラ感よね。男も女もナマで生きている感じ。

数年前なのでディテールは忘れたが、何と言うかかなり豪胆な男だった。伊平治って男は。

海を泳いで渡って、流れ着いた先の理髪店で雇ってもらって、恋人への手紙で雇い主夫婦のことを従業員とうそぶいたり。切腹というか割腹自殺を図ろうとして(あれは天皇崩御のタイミングか？)失敗してイテェーー、って叫ぶシーンとかもあった気が。あと、自分の体を実験台に(女房主導で)風俗の講習会やったり。

なんでもアリな、めちゃくちゃな時代というのは、風紀やコンプライアンスの観点から言ったらダメダメなんだけど、エネルギーに満ち溢れてるんだよね。
それにしてもすごい時代だよなー、、

ラストがなんだか、物悲しいというか哀愁を感じた記憶が。突っ走る方向というかベクトルが間違ってたんだろうね、彼は。時代に取り残されたというか。エネルギーとバイタリティは凄いんだけど。