仁義なき戦い

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劇場公開日:

解説

名匠・深作欣二によるヤクザ映画の金字塔「仁義なき戦い」のシリーズ第1作。日本暴力団抗争史上で最も多くの血を流した“広島やくざ戦争”の当事者・美能幸三の手記を基にした飯干晃一の同名ノンフィクションを原作に、ヤクザたちの壮絶な戦いを実録タッチで描く。敗戦直後の広島・呉市。戦争から帰ってきた広能昌三は、山守組のケンカに手を貸して殺人を犯し、刑務所に入る。広能はそこで知り合った土居組の若杉と意気投合し、盃を交わす。やがて出所した広能は、山守組の組員となる。当時まだ弱小組織だった山守組は次第に勢力を拡大し、土居組との抗争に全力を注いでいく。広能は土居の暗殺に成功し、再び刑務所に収監される。その間、呉を代表する大組織にまで成長した山守組では、内部抗争が激化していた。

1973年製作/99分/R15+/日本
配給:東映
劇場公開日:1973年1月13日

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(C)東映

映画レビュー

5.0戦後日本の歩んだ道

2021年8月31日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

ファーストカットがモノクロ写真の原爆ドーム。物語は終戦直後の広島県呉市の闇市。冒頭のこの闇市シーンから画面から、生命のエネルギーが噴出していて何回見ても釘付けになってしまう。まるでニュース映像のような荒々しい映像に、ギラギラした役者の顔が映される。
深作監督もどこかで言っていた気がするが、この作品は戦後の日本社会の実像を、裏社会からえがきだしたている点が素晴らしいのだと思う。戦後の復興の混乱期に台頭し、朝鮮戦争の特需で儲かり、政財界の食い込んでいく中で人心が腐っていき、「仁義なき」世界になっていく。刑務所を出たり入ったりしている広能はその流れには乗れず、一人仁義を抱えて生きている。ラストの葬式で、香典や供花を撃つというのがまた良い。出席している連中は、誰も坂井の死を悼んでなどいないが、建前として香典や供花を出すわけだが、そんな腐った建前を撃ったのだ。
セリフのちからもすごい。名ゼリフのオンパレードで驚く。何回見ても圧倒されてしまう。

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杉本穂高

4.5無尽蔵なエネルギーのぶつかり合いに衝撃を受けっぱなし

2018年1月31日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

興奮

この邦画界における傑作を今改めて鑑賞すると、そもそもの物語が『この世界の片隅に』のラストシーンで描かれた呉の闇市からスタートすることに驚かされる。菅原文太が初めて人を殺めるこの街のどこかに、あのすずさんたちが微笑みながら佇んでいるのかと思うと、なんだか不思議な感情がこみ上げてやまない。思えば、深作監督によるこの伝説的シリーズは、戦後の復興期の中で「騙し騙され、裏切られ、利用され」を繰り返しながら、何とかこの世界の仁義を守り通そうとする男の生き様を描いた物語だった。シリーズ一貫して、この映画のタイトルバックにはいつも広島の原爆ドームとキノコ雲。本作も『ゴジラ』と同じく、戦争や原爆の記憶を踏まえながら、行き場のないエネルギーが無尽蔵に衝突を繰り返す過程を描いたものだったのだろう。深作、笠原、菅原のみならず、昨年は松方や渡瀬も逝去した。しかしこの映画に刻まれた爆発的エネルギーは永遠に死なない。

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牛津厚信

4.0ときおり広能や坂井が見せる、「あの頃」への執着。

2024年1月16日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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すっかん

5.0山守さん、弾はまだ残っとるがよぉ

2023年7月17日
スマートフォンから投稿

悲しい

怖い

興奮

とにかくこの時期の深作欣二監督の作品はエネルギッシュ‼️画面に躍動感があって、そのテンポの良さはまるでハリウッド映画のよう‼️そんな日本映画の枠を超えた深作欣二作品で描かれるのは、仁義にツバ吐く広島ヤクザの濃密な実態‼️野良犬の如き血気盛んな菅原文太を始めとする登場人物はみ〜んなワル‼️その独特のイントネーションが耳から離れないほど魅力的に響く広島弁‼️ある意味古典的な主題曲‼️カメラもブンブン思いっきり回りに回ってまるでドキュメンタリー映画のような生々しさ‼️ホント燃えます‼️文太兄ィが葬式で銃をぶっ放すラストシーンと、"山守さん、弾はまだ残っとるがよぉ" のセリフもチョー最高‼️米軍に原爆を落とされた戦後の広島における暴力団抗争も、日本の戦後の歴史の一つという事です‼️

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