新・極道記者 逃げ馬伝説

劇場公開日:

解説

ギャンブルにのめりこむ男たちの哀しくも美しい生きざまをハードボイルドタッチで描いて人気のギャンブルロマン「極道記者」シリーズの第3作。『ケイシュウニュース』の馬券予想や『ラジオたんぱ』の解説などでおなじみの塩崎利雄の自伝的小説を原作に、前2作に続いて「でべそ」の望月六郎が監督。今回は望月が脚本も担当した。主演は企画者としても名前を連ねている「深い河」の奥田瑛二で、もはや当たり役とも言える極道記者・松崎に三たび挑んだ。故・阿佐田哲也を思わせる無頼派作家・麻生には演劇界の重鎮・唐十郎がふんし、ほかに「マリーの獲物」の大和武士、「夜がまた来る」の速水典子、オーディションで選ばれた新人・金谷亜未子らが共演。

1996年製作/日本
配給:パル企画
劇場公開日:1996年6月22日

ストーリー

“極道記者”の異名をとる東都スポーツの松崎は、柄にもなく参加した娘の亜希の運動会で田坂という男と知り合い、徒競走の結果を予想し合ってすっかり意気投合した。揃って競馬場に出掛けたふたりは、運動会で見かけた音楽教師・薫と出会う。競馬にどっぷり嵌まっている薫はこの日、大穴をモノにし、有頂天のまま松崎とホテルへ向かって関係を持った。松崎は東都スポーツで連載するコラム“はきだめブルース”に薫のことを書き、薫はそんな松崎に腹を立てながらもどんどん魅かれていくのだった。松崎の別れた妻・真理子は腕利きの編集者で、今は無頼派作家の麻生を担当している。麻生は真理子に想いを寄せており、松崎へのライバル心を燃やして麻雀の勝負を申し込んだ。劣勢だった松崎は最後の最後で逆転の国士無双をものにし、麻生に勝利する。麻生は約束どおり断筆を宣言するが、全ては別のペンネームで再出発したい麻生の計画だった。人生そのものをギャンブルに転化してしまう麻生をどこか憎めない松崎は、徐々に不思議な友情を麻生に対して抱いていった。そんなころ、実は暴力団組員だった田坂が鉄砲玉として利用され指名手配となったのを知った松崎は、女房と娘に渡してほしいという大金を田坂から預かる。田坂は自分を嵌めた組長の羽生に復讐を果たし、いずこへと逃げ去った。松崎は真理子と暮らし始めた麻生に再度勝負を申し込み、競馬でその決着をつけることになった。2レースを残し瀬戸際に追いつめられた松崎は、田坂の好きだった逃げ馬に一発勝負を託し、見事土壇場で大逆転を果たした。

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