高校生心中 純愛

劇場公開日:

解説

変わらぬ愛を誓い合った高校生が、その愛を貫くために雪山で自ら命を断つ純愛映画。「高校生ブルース」「おさな妻(1970)」の関根恵子が主演する。脚本は柴田久恵。監督は「新・高校生ブルース」の帯盛迪彦、撮影は「高校生番長 深夜放送」の喜多崎晃がそれぞれ担当。

1971年製作/84分/日本
原題:Love for Eternity
配給:ダイニチ映配
劇場公開日:1971年3月6日

ストーリー

青城高校二年生の丘谷由夫と宇野洋子は、共にスポーツで汗を流し、勉強に励み、将来について夢と希望を持って語り合う爽やかなカップルだった。ある日、授業中校長室に呼ばれた由夫は真青な顔をして、そのまま早退してしまった。心配した洋子は、級友の仲本を誘って由夫の家を訪れ、由夫の兄が父親を殺したと知らされた。兄の卓郎が、親友である赤軍派の幹部と刑事である父親の間に入って悩んでいたこと、今朝も革新派学生の情報を掴もうとする父と激しく口論していたことを語り、共に良い兄貴であり良い父だったのにと呟やく由夫に、洋子は深い同情をよせた。宇野家では、由夫の家族に無責任な批判がなされ、母親のとみ子は洋子に殺人犯の家族という理由で由夫との交際を禁じた。宇野建設の社長で、近々参議院に出馬する父親博之の世間体をおもんばかって、娘の友情を踏みにじろうとする大人たちに洋子は激しい怒りと悲しみを覚えた。由夫の災難はまだ続いた。母親が心痛のあまり急死してしまったのである。家庭も未来も失いながら、兄の裁判費用のために高校を中退して働くという由夫の優しさと行動力に洋子はますます惹かれた。由夫が両親のお骨を持って郷里の信州に帰ると聞いた洋子は駅にかけつけ、どうしても別れることができず汽車に乗ってしまった。尊属殺人犯の弟と家出娘というレッテルが取れるまで、兄妹として暮すことを誓い合った二人は懸命に働きだした。しかし、倖せな二人の生活も長くは続かず、宇野家からの捜査願いによって由夫は誘拐犯人として逮捕され、洋子は家に連れもどされた。卓郎の裁判の日、傍聴席で再会した二人は、卓郎に死刑が言い渡され、卓郎自身も控訴を望まず死刑を待っているのを知って呆然とする。二人は、洋子の家族に結婚の許可を求めるが、洋子は部屋に軟禁され、由夫は屈辱的な言葉を浴びせられて追いかえされた。数日後、とみ子に言いふくめられた仲本は、洋子をドライブに誘うが、このチャンスに由夫のもとに行こうとする洋子を見て嫉妬に狂い洋子に襲いかかり、運転を誤って転落死してしまう。一瞬のすきに車を飛びだしてかけつけてきた洋子と、これを優しく迎えた由夫は、思い出の信州を訪れた。二人の愛に生きたいという願いのために、二人は自らの命を断ちに、降りしきる雪の中を山奥深く消えていった。

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