劇場公開日 1979年5月26日

「大団円はムリが多過ぎた」病院坂の首縊りの家 bluetom2000さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0大団円はムリが多過ぎた

2022年2月21日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

角川春樹、横溝正史、市川崑、石坂浩二で一時代を築いた映画群だったが、マンネリと疲れを感じる。石坂浩二のラストの表情はやり遂げ感か開放感か? いい表情だったと思うよ。
さて、人間関係が複雑すぎて、これは映画にできないでしょ。刑事ドラマのように相関図を説明するのを刑事と共に観客も確認するぐらいしなきゃムリ。原作だってきっとそのはず。
という本来この作品では大事な、相関の理解は完全に放棄してみると、若き草刈正雄の飄々とした演技はスター性を感じさせ、桜田淳子のぎこちないが体当たりの演技が光る。さらに、無法松を感じさせる小林昭二も良かったけど、印象に残ったのはこれだけだね。
巨匠市川崑も、ジャズをバックに古い街並みを金田一が下駄ばきで走る、といった素晴らしいシーンもあるのに、後半は巨匠も金田一も完全に息切れ。ラストまでジャズにしていたらそれだけでも十分な幕切れになったはず。
結局、横溝正史が自ら出演し幕引きをしたってことか。

Bluetom2020