劇場公開日 1951年3月21日

「カルメンは木下恵介か。」カルメン故郷に帰る lotis1040さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5カルメンは木下恵介か。

2014年3月20日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

悲しい

萌える

全くこの作品のレビューとしては関係ない話から始めると、まさかこんなところにハイジのルーツがあるとは思わなかった。
ハイジとはアルプスの少女ハイジである。
もちろん原作ではなくアニメである。
アニメのハイジの第一話とこの作品はかなりの部分で似ている。
それはカットカットが似ている。
場所は違えどもこの作品の中からハイジのアイデアが出てきたのかともう何十年も前にあったこの映画を好きだった高畑勲の気持ちが窺えるようだ。

さて、本題に入る。この作品はコメディの様相を呈している日本初のカラー映画といわれている。日本初のカラー映画というのは正しいかもしれないが、コメディとしては現代人の自分にはそこまで笑えなかった。

しかしながら、この作品はさまざまな価値観が入り乱れる。

そしてその記念すべき映画に木下恵介が選んだテーマは映画そのものだった。
今の映画とは何なのか。という問いを観客に問いかけた作品となっていると個人的には思った。

カルメンというひとりの女に自分を重ねて作っ他のではないだろうか。
ふとそんなことを考えてこの映画を見た。
どこまでもさわやかにラストシーンを迎えるこの映画は、どこか映画というものを感じずにはいられない。

lotis1040