劇場公開日 1986年10月10日

「北野武監督、松田優作主演のアクション映画を観たかった! とんでもなく突き抜けた作品になったはずだ」ア・ホーマンス あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0北野武監督、松田優作主演のアクション映画を観たかった! とんでもなく突き抜けた作品になったはずだ

2022年5月22日
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鑑賞方法:DVD/BD

がっかりだ、つまらない

ヨコハマBJブルースが1981年
その後に、これらの4作品がに撮られました

「陽炎座」、「家族ゲーム」、「探偵物語」、「それから」

どれも松田優作の新境地の作品でした

でもなにかしら寂しい
松田優作らしいアクション映画が観たくてうずうずする

そこに本作の公開です
5年ぶりにアクション映画に主演で戻ってきた!しかも初監督作品!
いやが上にも期待が高まりまったものです

冒頭の西新宿の超高層ビルを見上げて、カメラは西口の大ガードをくぐって、靖国通りを歌舞伎町の煌めくネオンの海に突入するカットの美しさ
これは!と感激するのですが、だんだんと感激と期待は萎んでしまい、暗澹たる思いに囚われていくのです
そしてまた西新宿から離れていく夜景を後席から撮るラストシーンを見ることになります
まるでその走り去っていく光景は、私達の期待が走り去っていくのを象徴しているかのようです

監督としての力量は、技術的なものとか経験不足とかというものよりも、何作撮ったとしても解決しない決定的な何かが不足しているのだと思いました

クリエイティブティーというと身も蓋もない

監督の仕事は頭の中の映像を具象化する作業です
それはオリジナリティのあるイメージなのか?
それを問われます

自分だけのイメージを、他人が観ることができる映像に変換して頭のなかから取り出す作業です
それは教養と知性の蓄積が裏打ちした芸術的な閃きが無ければ、まず陳腐な平板な映像にしかなりはしないのです

それを豊富に持っていたのは北野武監督で、松田優作監督には結局のところなかったのです

松田優作は大病で1989年にこの世を去り、入れ替わるように北野武は同じ1989年に映画監督にデビューしています

北野武監督、松田優作主演のアクション映画を観たかった!
とんでもなく突き抜けた作品になったはずだ

あき240