劇場公開日 2007年10月13日

キングダム 見えざる敵 : インタビュー

2007年10月10日更新

絶対君主制の王国サウジアラビアを舞台に、FBI捜査官たちとテロリストたちの戦いと復讐の連鎖を描くサスペンス・アクション大作「キングダム/見えざる敵」。本作のPRのために初来日を果たしたFBIチームの紅一点ジェニファー・ガーナーにインタビューを行った。(聞き手:編集部)

ジェニファー・ガーナー インタビュー
「愛する者に危害が加えられれば、その相手に対して復讐心が芽生ると思うの」

ベン・アフレックとの間に一児をもうけた ジェニファー・ガーナーが初来日
ベン・アフレックとの間に一児をもうけた ジェニファー・ガーナーが初来日

――劇中、凄いアクションをこなしていましたが、出産後最初の作品がアクション映画で大変だったのでは?

「体重を落とすのが結構大変だったわ。簡単に落ちると思っていたら、産後はなかなか落ちなくて。実は撮影中もまだ太っていたのよ。多分、身体の線が出るようなセクシーな衣装だったら撮影は無理だったかも知れないわね。Tシャツとカーゴパンツ(戦闘服)が衣装の殆どだったから助かったわ(笑)」

――では、エレクトラだったら難しかったわけですね?

「あれはもう絶対に無理ね(笑)。あの時は私のベストシェイプだったから」

――あのエレクトラの衣装はもう見られないのでしょうか。夫婦共演も見たいですが?

「スタジオが望んでいないし、『デアデビル2』も無理でしょうね。ベン(・アフレック)も『あの衣装はもう2度と着ない』って言ってるし(笑)」

――映画の結末について、あまり明かせませんが、最後の台詞が衝撃的でした。

「あの台詞だけ聞くと、結局、復讐が繰り返されてどうにもならないような印象をもつかもしれないけど、普通、人間というのは身近な者、愛する者に危害が加えられれば、その相手に対して復讐心が芽生ると思うの。たしかに、あの最後の台詞は、『皆が平和でいられる世界なんて不可能なんじゃないか』という政治的なレベルでの対応がどこにも行けない行き詰まりの状況を現してはいるけど、この映画全体で語っていることは、1対1で向かい合えば、何かまだ可能性があるかも知れないという、どちらかというとポジティブな方だと思うわ」

出産後間もないが、激しいアクションもこなした
出産後間もないが、激しいアクションもこなした

――やはり、ブッシュ大統領の現政権に対しては反感を持っているのでしょうか?

「今の時点では、彼の外交政策をサポートすることは誰にとっても難しいと思うわ。もともと彼には投票していないし」

――それでは、この映画のコンセプトもすんなり受け入れられたのですね。

「この映画でジェイミー・フォックス扮するフルーリーが語る『我々アメリカ人は必ずしも完璧ではないし、世界を救うことも出来ない。けれども刑事捜査に関しては、我々は優れている。我々の長所はこの部分だから、その点を活かして助けることが出来る』という台詞がありますが、ここにすべてが集約されていると思う。それに、この映画のキャラクターが『どっちが善で、どっちが悪』といったようなステレオタイプの人間ではなく、サウジアラビアの人間でも、アメリカの人間でも、すべて血の通ったリアルなキャラクターとして描いているの。そもそも世の中って全て単純に割り切れるものではないから。そういうリアルな作品が出来てとても良かったと思う」

――そういった意味で、マイケル・マン印の現実味溢れる映画になってましたね。

「監督のピーター・バーグはマイケルの弟子みたいなところがあるから、彼が現場にはいなくてもマイケル・マンの志や嗜好はとても伝わったと思うわ」

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