劇場公開日 2007年3月24日

「これは、科学と心の問題の分水嶺的な作品ではないでしょうか」素粒子 あんゆ~るさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5これは、科学と心の問題の分水嶺的な作品ではないでしょうか

2009年8月31日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

知的

難しい

2006年製作のドイツ映画で、原作はフランスの同名小説でございます。題材としては、少年の記憶、性、そしてクローンといったものが扱われております。ちなみに原作は残念ながら未読です。

設定は、ヒッピーの母を持った二人の異父兄弟が、それぞれ幼少からの心の問題を抱えたまま大人になるというものです。兄は、異常な性的コンプレックスを抱えており、まともな社会生活が送れず病院との往復の人生。弟は、真逆に性にたいして不感症で、性行為なくして生命の繁殖を可能にさせる技術の開発を夢見ている科学者。

物語は、そんな弟が意を決してクローン技術の開発に本腰を入れる為に、その時、働いていた研究所を辞める所から始まります。そして彼は幼少から恋心を抱いていた女性のことをふと思い出し、研究で遠い所に去っていく前に彼女に会いにいきます。一方の兄は、自分の心の傷を癒してくれる女性を求めて旅に出ます。そして、そんな二人がどのような終着点に辿りつくかが描かれていきます。

恐らくこの作品の肝にあるのは、性を超越しようとする現代科学と、性に溺れる人間の本能を対象的に描くことで、あるがままの性を浮き彫りにさせようとしていることだと思います。これはクローン技術が世間を賑わすようになった時期に作られた物語。100年前の人が、本作を観たらきっと驚くことでしょう。

それでも、作品全体を通して、肝になる部分をいま一つ掴めなかったのが実感。原作を読まないと分からない類の作品かもしれません。

あんゆ~る