劇場公開日 2006年12月23日

「泣いてしまいました。」リトル・ミス・サンシャイン kuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0泣いてしまいました。

2014年12月12日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

笑える

興奮

基本的に「心温まる家族の絆・ロードムービー!」と言うような宣伝文句のついている映画を見て泣いたことがありません。なんというか薄っぺらかったり、感動させたいんでしょ?というようなものが多く・・。それ以来そういう文句の付いている映画をなんとなく敬遠していたところがあります。

これも最初はただ癖のありすぎる個々のいる家族の食卓から始まりました。なんでもかんでも勝ちにこだわる父、怒るとすぐにブチぎれる母、ドラッグと女の話ばかりする祖父、ニーチェに影響を受けて言葉を話さなくなった兄、天真爛漫なすこし太めの娘、そしてそこに自殺未遂をした母の兄が加わり・・。という感じです。

すぐにぶつかり、個々が違いすぎるせいでまったく会話がうまくなりたちません。そんな中娘が子供達のミスコンに出ることになります。
お話自体は特に変わった話でもなく、わかりやすく展開します。
けれど、その展開も無理があったり、見ている人に「こう感じてね」と押し付けるようなものは一切なく、とても自然です。

この映画の中で、家族の大人たちが皆、オリーヴによって変化していく様が素晴らしいと思います。それも「自然と」変化していく感じで、見ていても微笑ましく感じられます。皆なんだかんだ言ってもオリーヴのことをとても愛しています。
家族の中でオリーヴが一番、自分のことに一生懸命で、前向きなのですから。子供ながらのその姿に大人たちは動かされてしまうのでしょう。
最後の最後まで家族の絆は危ういのですが、ミスコンのシーンでは泣いてしまいました。
エンディングも、ハッピーエンドとは言えないのかもしれません。けれど、都合のいい感じではなく、「そりゃあそうなるよね。でもよかった。」と思わせてくれると思います。

ku