劇場公開日 1989年2月25日

「電話ボックス📞」レインマン talismanさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5電話ボックス📞

2022年9月10日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

幸せ

電話ボックスを占領して長電話、二人で入って誰かに電話をかけたり。それはほんのちょっと前までの話で100年前という訳ではない。そんな電話ボックスが映画の中で何度も出てきていい舞台装置になっていた。電話ボックスで電話をかけている間にどこかに行ってしまう兄のレイモンド、油断も隙もあったもんじゃない。かといって二人で入る電話ボックスは窮屈でそこで兄がおならをしたからたまったもんじゃない!

アメリカは広すぎてロードムービーは頭がクラクラする。でも飛行機も高速道路も兄が嫌がるから仕方ない。いつの間にかカメラを手に入れた兄がしきりにシャッターを切って撮影していた。どんな写真だろう?それがエンド・クレジットの左側に流れた。数字が入っている看板や標識、雲や空が流れたりぼやけたりしている風景。それは広大なアメリカ大陸ではなくて身近な風景や物でレイモンドの目に留まった世界。

ガチャガチャと落ち着きのないチャーリーがだんだんと兄のリズムに合わせてダンスできるようになる。だからレイモンドも弟からダンスを習う気持ちになった。別れの場面、レイモンドが頭を弟にもたれかかせる場面は美しかった。

経験豊富な名優とこれから伸びゆく若い俳優とのタッグ。互いに学び影響を与え刺激を受けながら新しい何かが生まれる。そういう映画をもっと見たいと思った。ついこの間、ジャン・ギャバンとジャン=ポール・ベルモンド共演の「冬の猿」を見たので余計にそう思った。

ダスティン・ホフマンは本当に素晴らしい。公開から30年以上たって初めて見ました。「午前十時の映画祭」ありがとうございます。

おまけ
ダスティン・ホフマンもトム・クルーズも鼻が似ているから(特に横顔の鼻の高さと形)「兄弟」っぽくてよかった。

talisman
琥珀糖さんのコメント
2023年9月11日

こんにちは

talismanさんのレビューに教わったことがありました。
エンディングの横に写っていた写真、
レイモンドがシャッターを押した写真なのですか?
ありがとうございます。
数字がたくさんありましたものね。

琥珀糖
Gustavさんのコメント
2022年9月11日

talismanさんへ
トム・クルーズ、ジョニー・デップ、ブラッド・ピットは、同じ年代でアメリカを代表するハリウッドスターですが、クルーズがいつまでも若々しいですね。演技力ではデップが上回りますが、スターの輝きはクルーズが一番と思います。この三名が、長くハリウッド映画を支えてきたことは、ヨーロッパの各映画国と比較すると明白です。上の年代のトム・ハンクスと下のレオナルド・ディカプリオを含め、アメリカ映画のスターシステムは映画ファンにとって最大の楽しみになっています。
トム・クルーズは、「ミッションインポッシブル」の成功からアクション映画にシフトして還暦になっても衰えていないのが凄いですね。昔のスターでは、スティーブ・マックイーンに近いものを感じます。マックイーンには独特な憂いがあってのアクション演技でしたが、クルーズの良さは明朗さと真摯さの好青年の個性に澱みが無いことで、歳と共に深みも加えている。この「レインマン」の頃は、演技力を身に付けたいと苦労していたころの作品の印象があります。相手役がダスティン・ホフマンで、どうしても比べられるは仕方ないです。また、ホフマンが上手すぎる。上手くていい時と、バランスを崩して目立ち過ぎるのとがあります。それを認めた上で、脚本と演出に少し不満を憶えました。クルーズ作品で好きな映画は、「遥かなる大地へ」「ミッションインポッシブル」「ザ・エージェント」「マグノリア」「ラストサムライ」などです。

Gustav
こころさんのコメント
2022年9月10日

talismanさん
「 レイモンドが頭を弟にもたれかかせる場面 」美しく印象的なシーンでしたね。
どこか微笑ましく感じるシーンが散りばめられている、切なく温かな余韻が残る作品でした。

こころ