劇場公開日 2021年10月1日

「最高の声優たちが作り出す世界の最高傑作。」ルパン三世 カリオストロの城 とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0最高の声優たちが作り出す世界の最高傑作。

2021年7月19日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

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大好きだったTVの1stシリーズのルパンとは似ても似つかない映画。
だから全力で否定したいのに、とにかく面白い。一つ一つのエピソード・映像に釘付けになってしまう。

メインキャラのロリコン趣味と言い、善人ぶりと言い、五右衛門の「…今宵は一味違うぞ」はまだしも、銭形がラストの言葉をクラリスに言うなんて…。何かが憑依したのか?と思うほどキャラ変している。

そう、話の大まかな筋と登場人物の設定が、私にとっての生涯最高峰の作品の一つ『未来少年コナン』そのまんま。『ルパン三世』の『未来少年コナン』化。

なのに、どのルパン三世の作品より、ルパンが、次元が、五右衛門が、銭形が、不二子が、それらしく見えてしまう。

山田さんが、納谷さんが、小林さんが…。
五右衛門の声と不二子の声は、1stシリーズとは変わっているけれど、やっぱり五右衛門で、不二子で…。
 この方々がセリフをあてると、もう、そこは『ルパン三世』の世界。
 なんてすごいんだ。
 (しかも、別作品では別の世界観を作り出す。ex.ユパ様…)

そんな声優たちの力がいかんなく発揮された映画。

でも、すごいのは声優たちだけじゃない。

『未来少年コナン』の習作かぁ、とも言いたくなるほど、骨子やいろいろなところが似ているのに、”おじさま”の哀愁等の味付けが、心をくすぐる。

宮崎監督もおっしゃっている通り「この作品には新しいものがない」。
 『未来少年コナン』だけではなく、TV版とか、昔手がけた監督の作品から引っ張ってきたものもあるそうだ。未見なので語れないが、あるアニメからの影響を指摘するレビューも多い。
 そうなると普通は二番煎じの域を出ないのだけれど…。
 でも、この作品は、だから余計に、手なれた完成度の良さがある。
 テンポ・リズム感等の演出・脚本、役者さん達の演技。効果音とBMをきわどいやり方で、画面に合わせる。この音楽じゃなければと思わせる出来。

勢いに乗って楽しみながら作った作品。それがこちらまで伝わってくる。
文句なし。最高傑作です。

とみいじょん