リバー・ランズ・スルー・イットのレビュー・感想・評価
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人生とは関わりなく、大河は滔々(とうとう)と流れる。
親子二代にわたってフィッシングを趣味としてきたマクリーン家にも人生の荒波は容赦なく押し寄せ、その平和で幸せな日々を押し流してもしまいますが、そういうマクリーン一家の運命の浮沈の合間も、本作の題名その通りに、大河は滔々と流れ続けていたことに、評論子は、深い感銘を覚えました。
思い起こしてみれば、いろいろな出来事がありました。評論子の人生にも。
順風満帆で幸せに浸っていたこともありますし、「どん底」(?)に落ち込んでいたこともありました。しかし、そんな時も、大河は滔々と流れ、自然は悠久の時を刻んでいたのですね。
ちっぽけな人間の人生の浮沈には、そしてまた、更にまたちっぽけな人々の主観的な思い入れとは、まったく何の関わりもなく。
そういう自然の営みというものの「雄大さ」「偉大さ」、そして「懐の深さ」というものか身に染みると同時に、顧(かえり)みると、自分の悩み、苦しみ、悲しみは、その雄大に比較すれば、当時の主観的な想いとは裏腹に、取るに足らない些事であったようにも思えてきます。
自然(滔々と流れる大河、悠久に流れる時)の中では、人間の主観的な思惑など、取るに足らない、ほんの小さな出来事に過ぎないのでしょう。
そういう意味では、静かに、静かに、ほんとうに静かに―そして、そうは明確に意識はしていなくても―これも、観終わって、勇気がもらえた一本になりました。評論子には。
本作は、午前十時の映画祭13で鑑賞した一本になります。
いつも利用するレンタル店には在庫があることを承知していましたし、何よりテレビ放送からの録画(NHKなのでノー・カット)が手持ちにあることも承知していましたけれども。
それでも、映画館の大画面と良い音で鑑賞することができて、良かった作品だったと思います。
秀作であったと思います。
こころにしみる、美しい、家族の物語
「午前十時の映画祭」で鑑賞。
約30年ぶりに鑑賞しました。
僕自身も釣りが好きだから、映画が公開された頃に原作も読んだけれど、正直いって映画も小説も大して面白くないという印象しか残っていなかった。
で、今回久しぶりに観てみようと映画館に足を運んだのだけど、やっぱり「面白い」とは思わなかった。
でも、いい作品ですね。話は面白くないけど、いい作品です。ふだん「映画は面白くないとダメだ!」といっている僕ですが、これはこれでいいのだと納得してしまいました。
古き良き時代のアメリカを舞台にした、美しい、家族の物語。
わりと地味なストーリーで、日本人の我々にはピンとこないところもあるけれど、アメリカ人には、より響いてしみる物語なのかもしれないなと思います(だからこそ原作は名著として讃えられ、映画化されることにもなったのでしょう)。
この物語の中心を、一本の川のごとく貫いているのが魚釣り。
釣りは、自然の中に身を置き、生きものの命を奪う遊びです。子どもたちは、そこからたくさんのことを学びます。
本作において、それは単なる遊び以上の意味と価値を持って描かれ、父と子、兄と弟の繋がりを揺るぎないものにしている。
そして僕はスクリーンに展開する物語に、むかし父や、親友たちと釣りにいったときの自身の思い出を重ねていました。それらの記憶は僕のかけがえのない宝物です。あのときの海や川での光景は僕の中からいつまでも消えることはないのだと思うと不覚にも涙がこぼれた。
長い年月を経て久しぶりに鑑賞した『リバー・ランズ・スルー・イット』は、僕をそんな感慨にひたらせてくれました。
ちょっとやんちゃなブラッド・ピットがたまらなくチャーミングですね。
追記
この作品も、もうちょっと洒落た邦題にできなかったのかなという気がしたけれど、『リバー・ランズ・スルー・イット』という原題がすべてを物語っていますものね。やっぱり『マクリーンの川』だと、ちょっと弱いんだろうな。
それにしても、やっぱりフライ・フィッシングは魅力的な釣りだなと思います。
僕はフライ・フィッシングでヤマメやマスを釣るのが長年の夢でした。中学生の頃に道具を揃え、ラインを飛ばす練習まではしたけれど、未だに実戦には至っていません。
やりたいと思いつつ実現していないので、何とか今後の人生で夢をかなえたい。美しい清流でヤマメやレインボーやブラウンを釣りあげてみたいです。この映画の男たちのように。
フライ・フィッシング‼️
家族の絆の物語に、渓流釣り(フライ・フィッシング)を絡めて描いたレッドフォード監督の名作ですね‼️牧師の父からストイックな釣りの哲学と共に、愛と人生を叩き込まれる性格の違う兄弟。兄弟は時に反発しながらも、家族の意味を心に刻み、それぞれの人生を歩んでいく・・・‼️とにかくブラッド・ピットの美しさがたまらない‼️若き日のロバート・レッドフォード監督を彷彿とさせる純アメリカ的美青年‼️あー、まぶしい‼️レッドフォードとブラピ‼️共に若き日にキャプテン・アメリカを演じて欲しかった‼️そんなブラピが魅せてくれるフライ・フィッシングのシーンがホントに美しい‼️釣り糸がまるで生き物のように宙を舞い、太陽光に照らされる様はホントに幻想的で、この世のモノとは思えない‼️レッドフォード監督は「クイズ・ショウ」という傑作がありますが、私が惹かれるのはこの「リバー・ランズ・スルー・イット」と「モンタナの風に抱かれて」のような古き良きアメリカな題材大を詩情豊かに描いてくれた時‼️その筆致はジョン・フォード監督に通じるものがあると思います‼️ホントに名作です‼️
美しさに満ちた映像
その昔、映画館ではなく視聴覚教室のような施設での上映で見たのが初めてで、今回ちゃんとした映画館で見られて良かったです。あれから30年以上もたっているとは、ブラピも自分も年を取るわけだわ。ラスト近くでの彼の笑顔は、衝撃的に美しかったことを思い出しました。地味なストーリーですが、モンタナの雄大な自然とブラピの美しさが、印象的な映画でした。
美しいものは危うく、はかない。
TOHOシネマズの企画「午前十時の映画祭」のラインナップの中に
この映画を見つけたときから上映を楽しみにしていました。
どんな映画が好きかは
人によって様々だと思いますが、
私は、
ストーリーのおもしろさより
その映画の中に「何か美しいもの」がある作品が好き。
この映画は、5本の指に入る好きな作品のひとつ。
モンタナの大自然の中での
フライフィッシングのキャスティングのシーンそのものの美しさに加えて、
ワタシ的にはブラット・ピットが最も輝いていた映画だと思っています。(ブラット・ピットが特に好きなわけでもないのですがこの映画の中の彼は特別)
映画の中で、彼は若さゆえの無謀さで事件に巻き込まれ命を落としてしまうのですが(そのシーンは描かれていません)
美しいものは危うく、そしてはかない存在なのだと、この映画を通して知ったのでした。
命ある美しいものはいつか消えゆくけれど、
川の流れはとどまること無く流れ、それもまた美しい。
時間の流れもまたしかり。
私たちは、けして留まることが無い時間という川の流れに投げ込まれた、フライのような存在に過ぎない。
それでも自分の人生を自ら輝かせて生きなくてはいけないんだろうな…
そんなことに気づかせてくれた作品でした。
これは、私の勝手な想像ですが、
この作品の監督、ロバート・レッドフォードは、
若かりし頃、自分が最も輝いていた時を
ブラット・ピットの中に見ていたのではないかと思います。
なぜって、二人はとても似ているから。
今日あらためて観て、
映画化された小説の原作者であるブラット・ピット=弟ポールの兄役、ノーマンの語りの言葉も美しいことに気づきました。
原作「マクリーンの川」ももう一度読みたいし、上映されている間にもう一度観てもいい、と思うほど素晴らしい映画です。
規律ある社会への郷愁と美男の弟について
午前十時の映画祭で観て、感想というか気付いたことを2つほど。
まず監督のロバート・レッドフォードだけどアカデミー監督賞を受賞した「普通の人々」がそうだったように家族を中心とした規律ある社会への郷愁が根底にある。
1920年代のモンタナ州の片田舎が舞台で、ノーマンとポールのマクリーン家はスコットランド系。WASPのコミューンが形成されていて一つ一つの家族が社会の核になっている。信仰と家庭内の秩序が全ての判断基準となり粛々と日常生活が営まれているそんな社会。ほかと違うのは釣り。マクリーン家だけではなく、恐らくはこの川沿いの人々の生活にはフライ・フィッシングが組み込まれ、大げさに言うと外界=自然との交信、調和の手段となっている。
そういったキチンとした規律正しい生活が、アメリカにはかってはあったよ、ということがロバート・レッドフォードがこの映画で言いたかったことの80%くらいを占めているような気がする。ほらポールのセリフにあるでしょ。「モンタナでは、教会と仕事と釣りは時間厳守だ」って。確かに規律正しく営まれている生活、社会は美しい。この映画は映像だけでなくドラマもとても美しいと思うけど、美しさの源泉はそこにある。
もちろん1920年代といえども規律を脅かす要因がなかったわけではなく、貧困であったりアルコール中毒であったり賭博であったり人種差別であったりハリウッド的性的放縦であったり、後にアメリカ人を悩ます事柄がチラホラ顔を出す。最後には弟ポールはその一つに絡め取られてしまうのだけど。
気付いたことの2つ目はその弟ポールについて。
この映画は、エデンの東と同様に、旧約聖書のカインとアベルを下敷きにしていると思う。カインとアベルについては昔から不思議に思っていた、なぜ神は弟アベルのみを愛したのか。最終的には兄は弟を殺したからしょうがないものの、そこまでは一所懸命に大地を耕し神にも尽くしてきたカインはなぜ理不尽にも神に愛されなかったのか。
この映画を観てわかった気がする。きっとアベルは美男だったのですよ。ブラッド・ピットのように。
郷愁
午前十時の映画祭。
少年時代。古き良き時代。郷愁を誘われる。
アメリカの人たちなら尚更か。
(ある程度年代が上の方たちだけなのかも)
ジョセフ・ゴードン・レビッドに似た子どもだなと思ったら、ジョセフ・ゴードン・レビッドだった。
トム・スカーリットのお父さん良かったな。この頃、よくお父さん、旦那さん役してたな。懐かしい。
いろんなところに配慮しなくてもよかった時代のアメリカ映画は、やっぱり憧れだったな。
郷愁。
もう・・
あざと過ぎるよ、レッドフォード監督。濃縮アメリカ、家族・大自然・フライフィッシング、受けるに決まってる。当時のブラピの自然な美しさ、最後に撮った写真のように切り取られている。造りとしてはブラピの心情を直接描かず、想像させていたのが効果的。
この作品から30年超、モンタナの清流はそのままだろうか?
フライフィッシングを見るといつもちょっと怖い。投釣りの針が肩に刺さった事があるから。
「500日のサマー」のジョセフゴードンレヴィットが出ていてびっくり。
川の流れのように、兄弟愛、家族愛
同じように厳格な父に育てられたが
真面目な兄と破天荒な弟。
弟は何かと目立つし場を明るくする
友達や母親からもより好かれてる
兄は面白くない男と言われても
それが自分なのだ
弟は短命だろうなと予想ついたが
ロロにはまらず普通に生きてれば
幸せだっただろうにと思ったが
それでは人生物足りないのか
最後の父である牧師からの説法は
説得力があった
若い頃のブラット・ピット、可愛かった!
午前十時の映画祭13 にて
男兄弟は親友であり好敵手である
午前十時の映画祭にて鑑賞。
川や山の自然の美しさと雄大さに、それに対峙する釣り人の美しさと人のみが持つ技術の洗練さが映える。
真面目な兄の不器用さも自由な弟の可愛げも、どちらにも好感が持てる。兄の方に傾向したのは自分も兄だからか。
ブラピ❤︎ブラピ❤︎ブラピ
えー。若い頃のブラピってこんな可愛かったんだ。いや、これ、惚れてまうやろ。最近の変なおっさんのブラピしか知らなかったからおばちゃん、ぶっ飛びました。(笑)
ショタに近いハートは撃ち抜かれました。なんて善性の塊みたいな笑顔。お母さんて次男好きよね。上手なの〜。いや、もしかしたら女は基本次男好きかな?子供っぽくて甘え上手。場を読んでの立ち回り。言って欲しい言葉をくれる。長男の皆様ごめんなさい。私も長女だから気持ちわかるよ。すっごい努力してるんだよねー。
でもここで北村一輝似の長男が拗ねることなく、ちゃんと次男を認めてる。このうちの子育てがうまかった証ですね。おまけに選んだ女性もどこか破天荒。自分の好きを持ってキラキラしてる人にはやっぱりみんな惹かれちゃう。
違った面から人生を振り返れるいい映画でした。
バーボングラス傾けながら、どーぞ。。。
美しく壮大なモンタナの大自然、そこに溶け込む屈託のないブラッド・ピットの笑顔。
ロバート・レッドフォードは自分を彼に投影しながらこの映画撮影したんだろうなぁ。表情や仕草に随所で彼っぽさを感じさせる。
ロバート・レッドフォードだからこんな映画を製作できたんだろうなあ。1900年代初頭の片田舎を舞台にしたヒューマンドラマ。なかなかこんなテーマにお金払って観に来てくれないよね、お客さん。
邦題も潔よくて好きです。英語そのまま。そう、この映画は「A River Runs Through It」なんです。「愛と青春のなにやら」とか陳腐な邦題はいらんのです。
週末の夜にでも何も考えず、何も期待せず、バーボングラスなど傾けながらボーと観てみてはいかがでしょうか。贅沢な二時間が過ごせます。。。
釣りのシーンが
美しすぎて、涙が出る。
追記
ストーリーではなく、映像で涙が出た初めての作品でした。
ほんとに美しい映画です。
今日は、若いブラッド・ピットのきらきらした目の輝きを見る都度に涙が出そうでした。
今は、再びこの作品を見る機会を与えてくださった午前十時の映画祭の関係者のみなさまに感謝の気持ちでいっぱいです。
追記の追記
ふと、過去のNHKでオンエアされた「リッチマン・プアマン」を思い出しました。
心に残る素敵な映画
映画を通して流れるノーマンのナレーションが詩のようで、美しい映像と合わさって心に響く。舞台はモンタナだけど、何故か自分の故郷を思い出して懐かしさと切なさを感じてしまう不思議な感覚。物語は静かに淡々と進むが、人の心の動きが細かく丁寧に描かれており、役者達の表現力が皆素晴らしい。釣りをする姿が美しく芸術的で、心に残る素敵な作品。慌ただしい毎日に疲れた時にまた観たい。
川の流れのように〜
自然が美しい。ゆったり流れる川に、しなる釣糸。遠くの山々。その自然のままに、自らの気持ちに素直に生きようとするポール。対して、兄のノーマンは父にも母にも気を使うし、周囲の目も気にする。
野生動物のように、気高く美しいポール。少々、世間の枠からはみ出すタイプで、長生きできなさそうに感じる。映画でも最初からそんな匂わせ方してたし。ただ、なぜ賭博に惹かれるのかは、ちょっとよくわからない。自然の中にいる方が好きなんじゃないのか? あと、先住民の女の子への気持ちもどうだったんだろう。留置場で床に彼女を寝かせて、自分はベッドに座るって、なんだかひどくない? 彼女の扱いだけは不満だけど、人生を俯瞰で眺めるような、静かで文学的な作品。
BS TBSの放送を録画で。
ブラピがただただ美しい
ロバート・レッドフォード監督、93年アカデミー賞撮影賞受賞。
ずっと見たいと思いながらなぜか今まで手が出ず。
モンタナの田舎町を舞台に家族と兄弟の絆を描いた良作。
ブラピの地位を確立した作品らしいが、確かに美しい。少年のような屈託のない笑顔も持ち合わせながら、同時に美しさもある。
久々に見たタイタニックのディカプリオもそうだが、名優の若き日は格好良さだけでなく美しさも伴うのか。
兄役のクレイグ・シェイファーも、父役のトム・スケリットも最高。
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