劇場公開日 1987年3月

「『プラトーン』に始まったベトナム戦争映画ブーム、ここに極まれり。」フルメタル・ジャケット トグサさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0『プラトーン』に始まったベトナム戦争映画ブーム、ここに極まれり。

2012年9月11日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

知的

オリバー・ストーン監督の出世作『プラトーン』に始まった何度目かのベトナム戦争物、ここに極まれりだ。

この『プラトーン』に始まったベトナム戦争物のブームの特徴は、本国が舞台ではなく、敵国であるベトナム、ジャングルを舞台にしてあることが大きな特徴である。

しかし、その多くが、ジャングルが舞台であるが、この『フルメタル・ジャケット』の舞台は、市街戦である。
そして、その描き方は、鬼才・キューブリック監督らしく、それまでの映画にあったヒューマンなところは、一切、ない。
死亡している敵兵士に、米軍のヘルメットを被せ、おどけながら記念写真を撮る米軍兵士。

おそらくは、実際の多くの兵士は、バーンズ(トム・ベレンジャー)とエリアス(ウィレム・デフォー)との間で、生真面目に“善”と”悪”とに揺れるクリス(チャーリー・シーン)などではなく、こうであったのだろう。

そういうリアルな様子を、キューブリックは、手持ちのカメラでリアルに演出する。

ただ残念な事に、この映画は、訓練基地と戦場と2部構成になっているのだが、その第1部である訓練基地でのいじめは、あまりにも図式的で、どこかで観たような感もある。

しかし、ストーンズ等の音楽の配し方、最後のビルディングでの攻防など、やはり、キューブリックだ。

余談ですが、アメリカの戦争映画では、必ず味方兵士がやられると、まだ、攻撃を受けていない兵士が、助けに行く。
どうも、これは事実のような臭いがする。

優秀な兵士などいくらでもいるさと言わんばかりに、次々、見捨て、最後の方では、まともに操縦できるパイロットもいなくなった国とは、大違いだ。

トグサ