劇場公開日 2007年8月10日

オーシャンズ13 : インタビュー

2007年8月9日更新

シリーズ第3弾「オーシャンズ13」で“オーシャンズ”と対決するラスベガスのホテル王を演じたアル・パチーノのインタビューを独占でお届けします。アメリカを代表する名優が、人気シリーズに参加してみた感想は?(編集部)

アル・パチーノ独占インタビュー
「この映画は、ラスベガスのホテルみたいに豪華だね」

憎き敵役を好演したアル・パチーノ
憎き敵役を好演したアル・パチーノ

ジョージ・クルーニーを筆頭に、ブラッド・ピット、マット・デイモン、アンディ・ガルシア、ドン・チードルなど豪華メンバーが集結して話題になった「オーシャンズ11」。2作目の「オーシャンズ12」では、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、バンサン・カッセルが“客演”し、3作目では一体どんな大物がゲストキャラクターに加わるのかと楽しみにしていた映画ファンにとって、アル・パチーノの登場は願ってもないキャスティングだったはず。そんなパチーノは、本作に出演を決めたのは「脚本がよかったから」と語っている。「シリーズ作品の3本目とは思えないような、予想以上に完成度の高い脚本だった。本当に感心したよ」

撮影時の様子を楽しそうに語る
撮影時の様子を楽しそうに語る

演じる役どころは、ダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)率いる“オーシャンズ”と敵対するラスベガスのホテル王ウィリー・バンク。オーシャンズの古参メンバー、ルーベン(エリオット・グールド)と組んで巨大カジノを併設した豪華ホテルを築くが、開業間際にルーベンを裏切り、利益を独占。ルーベンは裏切られたショックで心筋梗塞になり、危篤状態になってしまう。ダニーらは、その仕返しにバンクをハメようと行動を開始する――。今回パチーノは、そんな“悪役”を嬉々として演じているように思えるが?

「バンクという男は、誇大妄想に支配されていると思うね。彼にとっては仕事と成功が人生のすべてなんだ。仕事に熱中するあまり、彼は何も目に入らなくなっている。その結果、バンクはやがて破滅への道を進むことになる。私は、何かに熱中しすぎて破滅するような人物が好きなんだ。そういう人物は、自分の周りさえ見えなくなっているんだよ」

そんな彼の片腕として働く秘書アビゲイル(エレン・バーキン)が、今回の紅一点。パチーノは「バンクはアビゲイルのことをよく知らないんじゃないかな」と分析。バンクとアビゲイルはあくまで仕事上のパートナーでしかなく、それ故にアビゲイルがオーシャンズの罠にかけられ(マット・デイモンの“色仕掛け”に爆笑!)、バンクも危機に陥ってしまうのだ。「たぶん、バンクは彼女の目の色さえ知らないと思う。仕事の相棒なのに、ドレスが似合うということしか知らない。それも人から聞いた情報だしね。いずれにせよ、彼女は非常に有能な女性なんだけどね」

リラックスした作品のムードは監督の賜物?
リラックスした作品のムードは監督の賜物?

映画デビューからおよそ40年近くがたち、ハリウッドを代表する名優になったアル・パチーノは、このシリーズに参加し、現場を率いるスティーブン・ソダーバーグ監督を「雰囲気づくりがとても上手」と評価する。「おかげで私たちは、とても気分よく仕事ができた。自分を解き放って自由に演じることができるんだ。彼は常に観察しながら何かを鋭敏に感知する――その鋭い感覚は信頼に値するね。初めて会った時に、感覚の鋭い奴だなと思った。繊細な男ではあるけれど、仕事相手としては最高だよ」

最後に、この映画について一言でまとめると……。

「この映画は、ラスベガスのホテルみたいに豪華だね。その豪華さこそが、この映画の魅力なんだ。ラスベガスよりも豪華だから、思わず目がくらみそうになる。もちろん、この映画の魅力はそれだけじゃない。何もかもが見事に調和していて感心したよ。本当にじっくり考え抜かれた映画なんだと思うね」

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