劇場公開日 2006年11月25日

「【夢と現を、SF要素を全面に出して描き出した大友克洋等、後年のアニメに影響を与えたと思われる作品。精緻な描写にも驚かされる作品でもある。】」パプリカ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5【夢と現を、SF要素を全面に出して描き出した大友克洋等、後年のアニメに影響を与えたと思われる作品。精緻な描写にも驚かされる作品でもある。】

2022年7月17日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

難しい

ー 「PREFECT BLUE」「千年女優」など、ハイクオリティかつ奥深い作品を生み出した今敏監督。
 46歳という若過ぎる年齢でこの世を去った彼が最後に手掛けた長編映画。
 だが、この稀有な監督の魂は、後人に受け継がれたと感じた作品である。ー

■財団法人精神医療研究所から、他人の夢を共有できる画期的装置・DCミニが盗まれる事件が発生。それと時を同じくして研究員たちが精神に異常をきたすように。美貌のセラピスト・敦子は、パプリカという名の女探偵となり、人の夢の中で犯人を追う。

◆感想

 ・筒井康隆氏の原作は読んでいた。
 だが、あのスケール感を映画化、映像化していた方がいた事は知らなかった。

 ・今作の画の細やか過ぎるトーンは、容易に大友克洋氏を想起させる。
 - 今敏監督が、大友克洋氏に影響を受けたのか、その逆なのか・・。
   だが、今作の夢と現を描くシーンの細やかな描写は、魅力的である。-

 ・今作を彩る、エレクトロポップは、”P-MODEL"を牽引した平沢進氏が担当されている。今作の近未来感を創出されている事に、大きく寄与している。

<今作は、資料を見ると2006年の公開だそうである。驚きである。
 全く古臭さを感じさせない、斬新的な作品構成に驚かされる作品である。>

NOBU