劇場公開日 2004年8月7日

誰も知らないのレビュー・感想・評価

全99件中、1~20件目を表示

5.0子どもたちのパラダイスと過酷な現実

2018年7月29日
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鑑賞方法:VOD

知的

世間的には悲惨な事件として認識された巣鴨の子ども置き去り事件。実際にそれは悲惨なものであるのだが、そのレッテルが覆い隠したものにこそ是枝監督は焦点を当てる。

子どもを置き去りにする母親の無責任さを断罪すべきという声が、欧米の観客からもあったという。子どもの人権を考えれば断罪すべきかもしれないが、監督にとって映画は誰かを裁くためのものではない。ここで描かれるのは、子どもたちの幸せだった時間。人間の生活は新聞記事ほどシンプルに切り取れるものではない。残酷な事件だが、されだけで彼らの人生は残酷なものばかりだったわけでもない。

断罪にこだわれば別の真実を見落とすだろう。努めて観察的な監督の視点は社会を見つめる上で重要だ。怒りも忘れてはならないのだが、多面的な視点はもっと重要だ。それが残酷な現実であればなおさらそうだろう。是枝監督の視線のあり方は本当に誠実で貴重なものだと思う。

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杉本穂高

4.0やっと観た。

2024年4月15日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

知的

評価が高いのは知っていたので、以前から観ようと思っていたけど今回やっと視聴。ストーリーと実話に基づくという事も知らなくて、衝撃を受けた。
子供の頃の柳楽くんの演技、初めて観た。コレは賞も受賞するな。心に訴えかけてくるものがすごかった。

観ている間中、ずっと胸が痛かった。
健気で素直で、明るい子供達。親は子供を選べないかもしれないけど、子供も親を選んで産まれられない。ダメな親でも親。母親の帰りを今か今かと心待ちにしている。自分を犠牲にしている母親を、家に監禁された状態で。なのに、母親は全く顧みず一向に帰ってこない。

そんな中でも、子供達なりに仲良く生きていて、お兄ちゃんの責任感と子供の純真無垢な輝きに胸が打たれた。

育てる責任を全う出来ない親は、子供を産まないで欲しいと切に願う。

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きゃな

3.5見ていてつらい

2024年3月9日
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悲しい

実際のネグレクト事件をテーマにした映画。
柳楽優弥演じる明と関わる大人はそれなりにいるのに誰も助けてくれないのがつらい。そして子供ゆえに事態の重さに気付かないラストも悲しくなった。
他のネグレクトをテーマにした映画と違って兄弟同士仲のいいシーンがあったり、友達と遊ぶシーンがあったりしたため暗い内容に対して明るい印象があって良かった。
大きく展開が動く映画でもないので中盤退屈になる。
役者の演技がリアルで良かった。

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ぺぺち

3.5隠れて暮らすメリットとデメリット

2024年3月8日
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鑑賞方法:VOD

是枝裕和監督作品『万引き家族』も好き。

YOUさん演じるお母さんは可愛らしい人だけど、実際何を考えているのか彼女視点で生い立ちから全てを観てみたい。

誰でも隣の芝生は青く見えるし、ないものを欲しがる。思い通りにいかないこともあれば、楽しいこともある。

隠れて暮らすメリットとデメリットを考えさせられた。

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Don-chan(Daisuke.Y)

4.0役者柳楽優弥の誕生。

2024年1月13日
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鑑賞方法:映画館

劇場公開時鑑賞。
登場場面は少ないが、YOUがいい仕事してる。
柳楽くんが立派に成長してすごい役者さんになっているのを観るたびに、その誕生の瞬間に立ち会ったんだなあと、もはや親戚のつもりになってしまう。
こんなの特殊な話でしょ、と言いきれない方向にどんどん向かっているのがやりきれない。

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なお

4.0酷い母親

2023年11月24日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

若き日の柳楽優弥が可愛い。子役からやっていたんだって今知った。ゆう扮する母親は子供を捨てて男のとこへ。
ダメな母親。最低。4人兄弟の妹がなくなりトランクケースで埋められる始末。悲しき貧乏で子供だけの生活の過酷さが物語ってる。ドキュメンタリー映画みたいだった。
夢中で最後までみてしまった。

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ノブ様

4.0リアル

2023年11月10日
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泣ける

悲しい

一番印象に残ったのは警察に行くことを勧められた明が、4人でいたいから行きたくないと言ったところだ。映画を観る中で私は、早く正しい大人に保護されてほしいと思ってばかりだった。でも明たちの幸せはそれじゃないんだなぁ。少なくともその時望んでいたことではなかった。ゆきが死んでも抜け殻みたいになっても、母が残したあの部屋で生活する選択をしていく明たちがすごくリアルだった。私はぬるま湯に浸かっていてばかりだなぁと実感。もしかしたら同じ教室にいるあの子が虐待されてるかも、近所のあの人が、そう思ってしまう。逆に同じ教室にいるあの子が虐待してしまうかもしれないし、自分がそうなるかもしれない。他人事ではいられない。この危機緩和このままの体温で生きていくことが私にできることなんだと思う。もし同じようなことに直面した時私は何をするんだろう、何をしてしまうんだろう。定期的に見るべきだし、私と同世代のこれから結婚をして子供を産む人たちに見てほしい。

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ぽぽ

4.5大人が悪い

2023年10月8日
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鑑賞方法:VOD

大人が悪い
子供は何も悪く無い

重い映画だったが、良い映画だった。
柳楽優弥はデビューした時からすごい役者さんです。

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tk

3.5最近はチンピラ役が多いような気がする柳楽優弥が、こんな純真な姿を見...

2023年9月3日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

最近はチンピラ役が多いような気がする柳楽優弥が、こんな純真な姿を見せていたとは新鮮。
一見優しそうで良い母親とも思えるYOUだが、実は男にだらしなく、かなり無責任。
子どもたちを学校にも行かせず、長男以外は外出も許さないというクズっぷり。
その中で長男として懸命に弟や妹を支える姿には胸を打たれる。
本当は行政を頼った方がいいのだが、それでは兄妹が離れ離れになってしまう。
最後まで希望のない展開は残念。

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省二

4.5泣きすぎてもう観れない位に泣いた。

2023年9月3日
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泣ける

泣きすぎてもう観れない位に泣いた。

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カタマリ

4.0子ども達の演技がすごい

2023年8月26日
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鑑賞方法:VOD

まずは子供たちの演技が凄かった。
台本なしの演技をこなし
日常のように見せる凄さ。
是枝監督の子ども達へのアプローチも上手い。
なかでもやっぱり柳楽優弥の演技はずば抜けていた。

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tom

3.0じゃあ

2023年8月2日
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鑑賞方法:VOD

難しい

どうすればいいのか。。みんなで一緒に暮らすためには、、、「誰も知らない」のか、、環境が過酷な程、知恵はつくのか、、万引きする子は、進学していく。明には、思いやりや責任感がある、向上心もある、これはやむを得ず背負わされた結果なのか、、ときおり輝く子どもらしさ、子どもが、特に長男の明は、子どもでいられない、くたびれていくシャツ、伸びていく髪、アジアの他国を連想する、、お金をあげ、食べ物を渡せばいいのか、、全責任は母親だけにあると、いえるのか、、ずっと問いかけられ続けた。ショッキングな映像よりも、子どもの瑞々しさを印象的に映す作風からは、重たさ、だけではないものが伝わってくる。

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she'lly

4.5子供としてみると

2023年7月27日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

難しい

主人公とあまり大差のない年視点で見ると、
大分辛かったです。
母親が子供のこと大切ではあるけど邪魔だって思ってるのも兄妹の1番上だからこその辛さも、母親に縋ろうとするのも本当は味方してくれるはずの周りの大人も皆隠してるけど自分たち子供を邪魔者扱いしてるのもそれを長男長女がうっすら感じてるのも全部じわじわ伝わってきました。
思春期に入るとなんとなくわかってくることが表現されてて
ネグレクトとか虐待だけでは無く、思春期ならではの辛さ、心情の動き、全てにおいて本当に辛かったです。
それでも嫌いになれない、心の中では捨てきれないのが母親で、母親には自分勝手に動かれてるけどこの歳じゃそのことを否定するなんて相当大人びていない限りできないのを改めて感じて、辛いのも有りましたが共感しながら見ることでより面白い作品なんじゃないかなあって思いました。

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ウイ

2.5現実だから

2023年7月21日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

難しい

実話を元に作られているからこの映画を見て、ニュースを見る目が変わった。虐待のニュースが絶えないが、この親もまた虐待されて育ったケースも多いだろう。虐待や貧困をどこかで断ち切らなければならないのだが、こういう家庭に限って多産だったりする。全ては教育が大事だと思う。

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見聞

3.5子供たちだけの生活

2023年7月12日
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親のいない、子供たちだけの生活。子供の時に一度は夢見る自由な生活かもしれないが、外に出てはいけない大声を出してはいけないという制約の中ではどれほどの自由があったろうか。
洗濯や料理など兄や姉が担っている点は、大人になった私よりも自立した生活をしているだろう。

Youの演じるチャーミングな母親は友達や姉ちゃんとして関わるなら楽しそうと思わせるハッピーなやり取りだった。無責任で勝手な様子を柳楽優弥にお前だってそうだろと言うところ、全く持って間違っているところもなんだか愛おしく感じさせられた。
なぜ子供を隠すのか、なぜ子供を放って出ていってしまうのかがよく分からなかったけど、これを理解できれば私が認識できていない人たちのことがわかるのかな。こういう人たちがいたという事実を知って、この人たちを分かろうとした方が良いのかな。ただ同じ世界で生きているということを認識しながら自分のことをただやっていく、助けを求められればできる限りのことはやっていく傍観者でいいのだろうか。

柳楽優弥の万引きはしないところ、援交で稼いだお金を受け取らないところ、えらいなあと思った。死体遺棄だって悪いこととしてやっているわけではない。何が良くて何が悪いのかの線引きが法律ではなくて、自分の信念から作り出されたようなところが小6なのに素晴らしいと思った。
なるべく社会から見えないように関わらない生きているわけだけど、廃棄をくれるコンビニの兄ちゃん、野球に混ぜてくれた監督、いじめられていた高校生、少しの人とのちょっとした繋がりがあって、少しの優しさがたくましい生活に貢献していた。これからも兄弟仲良く暮らしていきたいという願いが、もう長く続かないだろうともどかしくなった。

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nemo

5.0今、映画だけを見ても真意は掴みにくいかもしれない

2023年6月22日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

「怪物」「ベイビー・ブローカー」「万引き家族」が注目を集めた是枝監督の、2004年の作品。
最近になって配信で見た人は「なんだこれは」という印象を受けるかもしれない。
私は公開当時に劇場で見て(詳しい日付は忘れたので、このレビューの鑑賞日は適当な日付)、その前と後を知っているので、少しは今見ている人たちにも情報を共有できると思う。

知ってほしいのは、社会的に大きな話題となった事件を「ヒットする題材」ととらえて映画を撮ったのではなくて、是枝監督としてはあの事件の当事者となった子供たちに「君たちはそれでも存在して良いのだよ」と伝えたくて撮ったということ。これは監督自身がのちにコメントしている。
映画の前に事件が存在していて、それを映画に再構成したのだが、その目的は興行成績でも観客動員でもなく、あの事件の子供たちに「是」を伝えることだった。
だから、映画の視点は事件をとりまく社会や正義ではなく、子供と生活環境に向けられていた。子供たちに、君たちはこんな環境でも精一杯生きた、よくやったと言っている。
(この視点はのちの作品で子供から親子、家族というテーマに変遷し、最新作「怪物」ではまた子供に戻る)

エンディングで流れるタテタカコの曲「宝石」も、非常に印象に残る。
「誰もよせつけられない 異臭を放った宝石」が指し示すものは、主人公の少年の将来。
それも含めて、この映画では少年を、少年の過去と今と将来を肯定している。

これらの情報は映画単体では掴みにくいかもしれない。
当時の空気、そして是枝監督のコメントまで含めて、やっと真意がわかる。
作品としてそのようなスタンス(副次情報が無いと真意がわからない)が良いとは思わないが、もう世に出てしまった作品。
せめて、予習あるいは復習して、この作品の真意を読み取ってほしい。

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mamemame

4.0タイトルなし

2023年6月19日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

序盤の会話から飛行機は見に行くんだろうなと予想していたが、あんな形で見に行く事に成るとは思ってもいなかった。
なかなか胸糞悪い結末を迎える作品だったが、鑑賞後に元ネタとなった事件を調べてみると映画以上に胸糞悪く、映画が少しマイルドな方向に調整されている事が分かった。現実がどうだったのかは判らないが、育児放棄している母親が子供達の事を全く愛していない訳では無さそうだったのも意外。
本当はコンビニ店員や大家が異変を感じた時点で動くべきなんだろうが、そううまく行かないのもよく分かる。他所の家の事だからイザとなった時に動けばいいと、既にイザという時を迎えているにも関わらず先延ばしにしてしまう人が大半なのではないかと思う。
柳楽優弥さんが演技で賞を取っていたが、他の役者も負けず劣らずの素晴らしい演技、というかアドリブじゃないと出せない子供達の表情を作り出していたYOUさんの演技が見事だった。

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ソルトン

4.5胸を打つ!!

2023年6月16日
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鑑賞方法:DVD/BD、VOD

ほぼ20年近く前の映画ですが、迫るものが大きい。
「誰も知らない?」
多分みんな薄々知ってたと思う。
見て見ぬふりをする、
知ってても関わると面倒だから、見ないふりをする。
全く他人のことに無関心?
(大家の対応は、あり得ないのは置いておくとして・・・)

母親(YOU)がまったく返ってこなくなる。
約束のクリスマスも過ぎ、
クリスマスケーキが半額近くなるのを待って買う
12歳の長男・明(柳楽優弥)
妹2人と弟がいる。
お正月が来て、一人一人の名前を書いたお年玉を手渡す明。
そして春が来て桜が咲く。

お金が底をつき思い余って、現金書留の住所と名前から、
電話番号を聞いて電話する明。
「山本です・・・」と、同棲相手の名を名乗る母に、
思わず電話を切る明。

はじめはは渡された金を、
家賃、
電気代、
水道にガス、
と分けて振り込んでいた。

母が帰ってこないと明の中でケジメが付く。

そして電気が止められ、ガスが止められ、水道も止まる。

水は公園から汲む。
トイレも公園。

この映画のどこに、何に心を打たれるのか?
明の健気さ。
明の責任感。
家族愛。

実話にヒントを得たフィクションとのことですが、
普通は通報されるだろう、
しかしこれに近いことは今もある。
戸籍のない子、学校へ行かせてもらえない子供の数。
驚くほど多かった。

孤独死の中に餓死も含まれてると思います。

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琥珀糖

4.0無知であること

2023年6月12日
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鑑賞方法:VOD

ストーリーは大きな変化なく、救いがあるわけでもなく終わってしまいますが、
こんな現実があるということを知ることができました。
母親だけが悪者なわけではなく、様々な問題の結果なのかなと。

そしてこれらの問題は貧しさが原因ではないというのが皮肉的で辛いなと思いました。
母親はハイブランドのバッグを何個も持っていますし、長男はお金がなくても割高のコンビニで買い物、スーパーでも果物に手を出したり、、、と。
貧しさが招く不幸ではなく、無知であるが故の不幸なのかなと思いました。

また、中盤で母親がもう帰ってこないと悟った明が、
無邪気な兄弟たちを煩わしく思い冷たく接するシーンが何とも切なく、
いつの間にか母親と立場が同じになってしまっているのが複雑でした。

実際の事件がモチーフということで少し調べてみましたが、
母親のみが保護責任者遺棄致死の罪で逮捕されたとのこと。
早々に責任放棄した父親には何の処罰もないのかとモヤモヤしました。

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ぞの

4.0日常的にいてくれる母親の必要性と ネグレクトに対する危険性を訴えかける作品

2023年6月12日
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鑑賞方法:VOD

突然、アパートから居なくなった母親
長男の明に負わされた責任、
明の下のきょうだい、妹や弟たちが学校に
行きたいと願っていた胸の内
コンビニの廃棄処分となる弁当を貰い
何とか飢えをしのいでく子どもたちでしたが
郵便の書き留めで送られてきた現金が
親である母親がいなくても大丈夫だと言う
思い込み、綴られたメモ書きに表れていました。
不慮の事態で冷たくなった妹を中学生の
おねえさんと2人で運ぶ明。
夜景の飛行機の光るライトを眺める2人の
姿は子どもたちの見えないメッセージに
大人が気が付いてほしい思いで見終わりました。

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美紅