深夜の告白

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説

 ビリー・ワイルダー初期の作品にして、フィルムノワールの傑作といわれるサスペンス映画。保険外交員のウォルターは、訪問先の人妻から夫に内緒で、彼に傷害保険をかけたいと相談される。ただならぬ様子に一旦は拒絶するが、美しい妻の魅力にとらわれ夫殺害の共犯者に堕ちてゆく。殺人シーンでは、現場に居合わせる人物の表情を長くとらえ、間接的なリアリズムを演出。2人を取り巻く脇のキャラクターも秀逸である。

1944年製作/106分/アメリカ
原題:Double indemnity
劇場公開日:1953年12月12日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第17回 アカデミー賞(1945年)

ノミネート

作品賞  
監督賞 ビリー・ワイルダー
女優賞 バーバラ・スタンウィック
脚色賞 ビリー・ワイルダー レイモンド・チャンドラー
撮影賞(白黒) ジョン・F・サイツ
作曲賞(ドラマ/コメディ) ミクロス・ローザ
音響録音賞  
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写真:Album/アフロ

映画レビュー

5.0ワイルダー先生、初期の大傑作

2024年4月14日
PCから投稿

映画史上、フィルムノワールを代表する作品と言われています。
ヒッチとは別のタッチのスリラーとサスペンス、簡単にいえばヒッチからユーモアやオトボケを削除したような雰囲気、だからこそフルムノワール的と言えましょう。
倒叙的に冒頭に犯人を明示して、犯人の告白と事件の経緯を交互に並行して話を進めるスタイルは無駄なシーンを排除してソリッドな映像表現に徹しています。

探偵作家としてすでに著名だった初老のRチャンドラー先生の初稿に対して、当時30代だったワイルダー先生は「この本はクソですね」と台本を叩き返したそうです。
チャンドラー先生も「ビリーはクレイジーだ」と言い放って半年の脚本作成では終始イライラの絶頂にあったようです。
チャンドラー先生も偏屈ですから、偏屈者同士の神経をすり減らす脚本作りだったようです。

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越後屋

4.0【美しくも恐ろしい人妻に誘惑され、その夫を殺害した保険営業を生業とする男がたどる転落の運命を描いたサスペンス。】

2024年1月23日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

知的

■保険会社の営業担当ウォルター・ネフ(フレッド・マクマレイ)はある時、保険の更新に訪れた邸宅で人妻フィリス・ディートリクソン(バーバラ・スタンウィック)と出会う。
 その美貌に魅了されたネフは、夫を亡き者にして高額の保険金を手に入れようとするフィリスのたくらみに協力する事を決め完全犯罪計画を実行するが、彼の思惑を越え、計画は破綻していく。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・ネスの同僚の保険調査員キーズ(エドワード・G・ロビンソン)が、”俺の心には小人が居る。”という台詞が前半から度々使われるが、その言葉が同僚のネスに向けられることになる後半の緊迫感が凄い。
ー ネスがキーズに全て見抜かれていると悟った時の表情や、実は彼は全てを見抜いておらず、そこからのネスの行動がハラハラしながらも面白い。
  そして、無実の罪を被せられそうなフィリスの義理の妹ローラの元恋人ニノ(ナント、フィリスは彼にも手を出している。)にキーズが告げた最後の彼の善性在る言葉もグッとくる。

・ディートリクソンの後妻フィリス・ディートリクソンを演じたバーバラ・スタンウィックの、美しいが夫、ディートリクソンの妻をも殺していた事が判るシーンはとても怖い。
ー 悪魔的な、頭のキレる犯罪者であるが、彼女も最後の最後にネスを隠していた拳銃で撃つが、止めを刺せずに泣き崩れるシーンは絶品である。
  愛が、彼女の悪魔的行為を止めたシーンである。-

<今作は、所謂、倒叙形式のサスペンスであるが、作品構成及び前半と後半の雰囲気の違いを音楽で表した演出も素晴らしい作品である。>

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共感した! 5件)
NOBU

5.0フィルム・ノワール最重要古典‼️

2024年1月8日
スマートフォンから投稿

泣ける

怖い

興奮

わが敬愛するビリー・ワイルダー監督、最高傑作の一本‼️この作品はジョン・ヒューストン監督の「マルタの鷹」と並んでフィルム・ノワールの代表作とも言われています‼️保険会社員のネフが保険の更新に出向いた邸宅で、後妻のフィリスに誘惑されて、二人で傷害保険の倍額条項を満たすための計画殺人を実行していくが・・・‼️もう、ホントにワイルダー監督の天才ぶりが全編に満ち溢れていて、一瞬たりとも目が離せません‼️白のバックに松葉杖をついた男のシルエットがこちらに歩いてくるオープニングクレジット‼️ゾクゾクさせられます‼️一転、猛スピードで夜の街を爆走するカーショット‼️そして車から降りたネフが、テープレコーダーに事件の真相を語り始める回想形式でのストーリー展開‼️ウーン、巧み‼️あまりにも魅惑的な台詞「時に殺人はスイカズラの花のような香りがする。俺にどうしてそれがわかっただろう」‼️考えつきませんよ、フツー‼️自己中で冷血なのに、魅力的すぎるバーバラ・スタンウィックのファム・ファタールぶり‼️とんでもない悪女かと思わせといて、最後はネフを本気で愛してしまう‼️何とも言えない、男心を刺激しまくる映画史上サイコーのファム・ファタール‼️ネフが被害者に化けて列車に乗り込むクライマックスも、思わぬ邪魔者というか先客がいたりして、息詰まる緊張感の連続です‼️そして成功したかに見えたところから、破滅のプロセスへ一直線‼️ギャング映画でならしたエドワード・G・ロビンソン扮する調査員キース‼️ただならぬ目つきでネフとフィリスを疑い、経験を活かした推理を展開、二人を追い詰めていくキース‼️ウーン、不安、怖い‼️その不安が頂点に達した時、悲劇が起きる‼️重症を負ったネフ‼️タバコの火が無くいつもネフに火をつけてもらってるキースが、ネフに火をつけてやるラストシーンも唸らせる‼️またブラインド越しに射し込む光による光と影の横縞模様の照明効果‼️ホントにモノクロ映像は美しい‼️そして一番は、暗くじめじめした気分でネフとフィリスを描き、人間の深ーい闇をえぐり出して、リアルな迫力を生み出すワイルダー監督の素晴らしすぎる演出‼️ホントにスゴい‼️尊敬‼️もう、ひれ伏すしかないです‼️

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共感した! 9件)
活動写真愛好家

0.5ヘップバーンもモンローもまだ現れていないか!だから、この映画つまらないんだ。

2022年10月13日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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マサシ
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