劇場公開日 1980年12月23日

「特殊な映画」シャイニング KIDOLOHKENさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5特殊な映画

2022年2月23日
PCから投稿

キューブリックは「バリーディンドン」で大間違いをやらかしてしまった。それはこの「シャイニング」のひとつ前の映画だ。・・・カメラワークに詳しい者だけが楽しめる映画を作ってしまったのだ。一般の映画ファンは退屈で地獄のような時間を味わっただろう。それでキューブリックは仕事がなくなった。それから5年ぶりにやってきたチャンスでまた同じ間違いをやらかしてしまった。なぜこの大事な仕事でこんな間違いをしてしまったのか理解に苦しむ。監督というものはこういう場合、次の仕事を確保するためにコケない映画を撮ることが必要だ。でないと本当に二度と仕事がもらえなくなってしまう。
・・・このシャイニングの脚本は何だ?原作でじっくり描かれている大切な登場人物たちのバックボーンの部分がほとんど削除されてしまっている。だから楽しめるのは前半だけだ。前半の・・・この家はやばいぞ・・・という雰囲気。これから怖いことが起こるというムード。この人は狂っているかもしれないという不安。それらを描き出すカメラワークや演出はとても面白い。あえて人間ドラマを描かないことによって不気味さが増し、ホラー映画として成功している。前半までは。この映画の根強いファンはみんなそこのところを評価してるんだと思う。確かに一見の価値はある。
しかし人間ドラマが全く書かれていないので、いよいよその不安が現実の恐怖となった時に面白さは失われてしまった。雰囲気だけで客を惹きつけるのには時間的限界があり映画を面白くするにはドラマが必要な事を監督は忘れてしまったようだ。つまりバリーリンドンでやったのと同じ間違いをしてしまった。 5年ぶりの大切な仕事であるからキューブリックは自分のやりたいことを一部諦め、人間ドラマを入れて一般客が見て面白いものを作るべきだった。

タンバラライ