劇場公開日 2004年11月6日

「観入ってしまいました。」血と骨 悠々同盟さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5観入ってしまいました。

2020年11月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

興奮

2時間半の長い映画でしたが、いっときも目を離す事なく魅入りました。

傍若無人な男なんですが、愛人の面倒みたり、娘の死亡には半狂乱になったりで人間味のある所もあるんだな
こんな役をやらせたらタケシの右に出るものはいないね。

それとオダギリジョーが素晴らしい!!
鈴木京香さんも。
他の出演者の関西弁も
全てが凄いを通り越えて凄まじい。
みんなで食事している時の鈴木京香さんが片足立膝での食事。コリアンの習慣をふんだんに盛り込んでる映画。
マンセーもそうだし、ところどころコリアン語で。それがまた良い。
父親の暴力から逃げるため結婚した相手からも暴力を受けると言う。そんな宿命もことごとく壮絶だ。

時代背景もそうなんだが、
戦前〜戦後の在日コリアンは差別など受けながら
背に腹はかえられぬ暮らしぶりだっただろう。

在日の知人のおじいちゃん達がこんな感じの暮らしでトイレもなく空き缶で用を足し、ある物は盗品を売って金にしそれを元手にコリアン専用の高利貸しになり莫大な財産を築き上げたものもいる。ある者は戦後のどさくさで空き地に勝手にバロック小屋をたて、立退料をせしめて祖国に帰った者など。凄まじい。

高度成長期の日本人の強さとはまた違う在日韓国人の
生き抜く術の強さを感じた映画でした。

また、ゆっくり観たい。

悠々同盟