劇場公開日 2002年5月11日

「【”ヘラクレスの選択と、彼が信念を持って突き進んだ道”】」突入せよ!「あさま山荘」事件 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”ヘラクレスの選択と、彼が信念を持って突き進んだ道”】

2021年2月4日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

幸せ

ーこの事件において、殉職されたお二人の警察官の方に、哀悼の意を表します。-

■今作の印象

 ・警視庁から浅間山荘人質事件を解決するために派遣された佐々(役所広司)達に対し、主導権を取られたくない長野県警との確執の描き方。
  どこの組織にも、こういう事はあるのだろう。
  第一は人質救出であり、面子は二の次だろう、と思いながら鑑賞・・。

 ・スクープを狙うために、集まる報道陣達の姿。立て籠もりがが長引く中、いら立ちを隠せない姿。
  何時の時代でも、愚かしき一部のマスコミ・・。

 ・革命家を名乗る連合赤軍の姿と人質になった女性の姿を再後半まで、一切写さない手法。
  - 銃口にフォーカスした映像。次々に凶弾に倒れる隊員たちの姿。緊張感が増す。ー

 ・最前線の佐々達と、東京警視庁本部との温度差の描き方。
  - 篠井英介が演じる兵頭参事官の、愚かしき言動。-

 ・佐々と宇田川(宇崎竜童)との関係性を始めとした、男同士の絆。死を覚悟して、犯人たちと最前線で対峙する内田、高見隊長たちの姿・・。だが、・・。
  - 東京の警視庁本部の、世間体を気にする輩の愚かしき姿との対比。近年、同じような映画を観たな‥。「Fukushima 50」ー

 ・どのような状況でも、ユーモアを忘れない佐々の姿。そして、決死隊結成の際に、率先して隊を率いる佐々を役所広司が、流石の演技で魅せる。
  キツイ状況だからこそ、トップはユーモアと”無理した”余裕を部下に示す事が必要なのである事を、改めて学ぶ。

<愚かしき”自称革命家”と対峙する警察の姿を、上記の様々なシニカルな視点を織り込んで、原田眞人監督が描き出した作品。
 オリジナル脚本で、骨太なテーマに取り組んでいる原田監督は、貴重な邦画監督である事を再認識した作品でもある。>

NOBU
talismanさんのコメント
2021年2月5日

自宅療養、お元気になられましたか?おうち映画もいいですよね。

talisman
talismanさんのコメント
2021年2月5日

NOBUさん、コメントありがとうございます。

talisman