劇場公開日 2023年6月24日

「人間の内面に潜む“孤独”や“狂気”を見つめたカサベテスの傑作」こわれゆく女 和田隆さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5人間の内面に潜む“孤独”や“狂気”を見つめたカサベテスの傑作

2023年6月28日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

興奮

 精神を病んでいく妻メイベルをジーナ・ローランズ、その夫ニックを「刑事コロンボ」のピーター・フォークが演じています。美しく陽気で、まわりを明るくするメイベルですが、あることを発端に、異常な行動をみせるようになっていきます。その姿に見る者は心をかき乱されずにはいられません。

 瞳の奥に宿る感情、顔の表情や身体の動きひとつで、リアルを超えた生々しさをローランズが表現。さらに、カサベテスの実験的な演出とカメラワークにより、心の揺れが見ていて痛いほど伝わってきます。

 メイベルはなぜ精神のバランスを崩してしまったのか。こわれゆくのは誰なのか。映画に対する見方が変わることでしょう。

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和田隆