劇場公開日 2001年10月6日

トゥームレイダー : インタビュー

2001年9月3日更新

「トゥームレイダー」を見れば誰もが、映画への評価とは関係なく、アンジェリーナの決めポーズにシビレないではいられない。そんな彼女との1対1のインタビューをロサンゼルス在住の映画ジャーナリスト小西未来氏がレポート。数々の映画スターを取材してきた彼の目に、彼女の素顔はどんなふうに映ったのか? よそでは読めないスター取材の実態を大公開だ!(取材・文:小西未来

スーパー・ヒロインの素顔に大接近!
アンジェリーナ・ジョリーをLAでキャッチ!

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アンジェリーナ・ジョリーと1対1のインタビューを取るのは、いまや至難の業である。昨年「17歳のカルテ」でオスカーを受賞して以来、人気はうなぎのぼり。公開作がないのに、毎度の問題発言のおかげで、いつのまにかマスコミの注目度ナンバーワン女優になってしまっていた。しかも最新作「トゥームレイダー」は大ヒットゲームの映画化。こんな超大作をたった1人で背負ってしまったのだから、取材依頼が殺到するのはあたりまえの話なのだ。現在、カナダで新作の撮影中である彼女は、週末の3日間だけロサンゼルスで取材を受けることになった。世界中のジャーナリストが争奪戦を繰り広げるなか、なんとか最終日の最後の時間をもぎ取ることができた。不利な時間だけど、文句は言えない。

西日が射し込むフォーシーズンズ・ホテルの待合室で質問を練っていると、予定より早く呼び出された。アンジェリーナは今朝1時間も早くホテルにやってきたので、全体のスケジュールが早まっているのだという。こうしたジャンケットでは遅刻するタレントが多く、こっちは待たされることがしょっちゅうなのだが、前倒しでインタビューが行われるなんて前代未聞のことだ。部屋まで案内してくれるあいだ、映画会社の人はしみじみと言った。「他のタレントもみんな彼女みたいだったら、ぼくの仕事もずっと楽になるんだけどね」

部屋に通されると、そこには黒いスーツ姿のアンジェリーナが待ちかまえていた。

「ハーイ、よろしく」

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目元は多少疲れ気味だが、鋭い眼光はそのままだ。おどおどしながらテレコの準備をはじめると、彼女は言った。

「こっちに座りなさいよ。そっちじゃ遠いじゃない」

彼女は自分が座っているソファーの隣に座れと言う。心の平静のためにも距離を取っておきたかったのだが、断るのも失礼なので、同席させてもらうことにする。彼女の胸元をなるべく見ないようにして──ジャケットの上からでもすごい存在感だ──質問を開始した。「トゥームレイダー」に出演を決めた理由や、撮影前の2カ月半にも及ぶトレーニングのこと、そしてこれほどの大作を背負ったプレッシャーなど、どれもここ3日間で何百回と聞かれた質問だろう。それでもアンジェリーナは嫌な顔もせず、こっちの目を見据えてしっかりと語ってくれる。他のセレブではこうはいかない。

「それは、自分が人と違ってるなんて思ってないからよ。くだらない人間だし、じっさい特別なとこなんてなんにもないしね。わたしにとってみれば、自分のことなんかより他人のことほうが大事なの」

アンジェリーナにとって大切な人とは、家族と旦那のビリー・ボブ、そして、「トゥームレイダー」の撮影で出会ったカンボジアの人々のことだ。カンボジアに入れ込んだアンジェリーナは国連の親善大使にまでなってしまったぐらいである。あっという間に約束の20分間が過ぎ、インタビューが終了した。彼女はバンクーバーでの撮影に戻るため、これから空港に向かわなくてはいけないと言う。最後に、こういうインタビューは好きですか、と聞いてみた。

「イエスでもありノーでもあるな。たまにテレビの映画宣伝でヘラヘラ笑っていなきゃいけないときがあって、それは好きじゃないんだけど、こうやって自分らしさをアピールできるのは嫌いじゃないな」

アンジェリーナはすくっと立ち上がると手を差し出した。

「じゃ、今度は日本で会いましょうね」

まるで男の人のような、力のこもった握手だった。

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