「ラブシーンが…」スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃 ジョー・ジョー・エンさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ラブシーンが…

2020年1月19日
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鑑賞方法:映画館

全体的に展開がややこしく、見終わった後に謎を多く残す今作。
最終的に銀河を分断する戦争に突入していくのだが、伏線もなく謎が多いまま突入していく。
映画としてみると唐突に戦争が始まる感じがするが、現実の戦争は駆け引きもなく気がつけば始まっているものかもしれない。
ストーリーとしては
平和を維持してきた共和国から独立する分離主義勢力が台頭してきて多くの星を取り込んでいる。
軍隊を持たない共和国の議会は彼らが攻め込んでくるのではないかと恐れ、軍隊を持つべきかどうかという投票を行う。という日本国民としては人ごとと思えない事態が起きている。

軍隊設立に反対するパドメはコルサントを訪れるが暗殺されかけてしまう。
軍隊設立に反対しているパドメを暗殺するのは分離主義者の仕業としては筋が通らないということでジェダイのオビワンが調査に乗り出す。
その間弟子のアナキンはパドメの護衛任務につき、恋に落ちる。また、アナキンの母が殺される夢を見て助けに行くが助けられず、強い怒りと悲しみからダークサイドに一歩近づく。
というのが大まかなストーリー。

エピソード1もそうだったが、ジェダイがどういう存在だったかを示していて、ジェダイが探偵になって謎を解いていくのを見るのは楽しい。

最終的に分かる事実としては
①暗殺者の正体はジャンゴフェットという賞金稼ぎでドゥークー伯爵が分離主義勢力に巨大な資金源を持つ通商連合を取り込むために、パドメに恨みを持つ総督のヌートガンレイのために暗殺を命じる。ということ。
②昔死んだはずのジェダイがかつて秘密裏に共和国のためにクローン軍隊の製造を惑星カミーノに依頼しており、クローンのオリジナルはジャンゴフェットということ。

誰が頼んだのかよく分からない。資金源はどこなのかわからない。軍隊を持つべきか否か議論される前から作られてたと思われる軍隊をよく共和国は受け入れて出動させたなという謎が残るけど、非常事態だ!戦争だ!ジェダイが昔頼んでた軍隊があるみたいだ!共和国のためにとこっそりお願いしてたみたいだ!よし!お願いしよう!
みたいな勢いだったんでしょうか?

エピソード3で皇帝がジェダイの反逆だ!と議会で訴えるところで、クローン兵は表向きはジェダイが共和国のため作ったことになっていたけど、実は共和国を転覆させるために作った軍隊だった。我々が気づいて共和国の戦争に使わなければジェダイは共和国の転覆に使っていた!とか嘯いたりしていたらその謎の説得力が増していた気がする。(完全に妄想です。)

ダースシディアスが裏で糸を引いているのは確実なのだがその辺がよく分からなかった。

で、アナキンとパドメのラブシーンは
う、うんまぁ…って感じ。個人的には途中のアナキンの愛の告白シーンはいらない。
あまり、好き嫌いのそぶりを見せずに処刑前のシーンで唐突に愛の告白をする方がリアリティがあって良かったかなと思う。
後はコルサントのチェイスシーンもジャンゴフェットとの戦いと小惑星の宇宙船も、最後のジェダイの総力戦も迫力があってよかったと思う。
CG過渡期で工場とかはチープさが目立つが全体的には悪くない出来だと思う。ラブシーンをもう少し減らせば全体的なバランスが良かったかなというのが正直なところ。

エピソード1では民衆の娯楽としてレースが描かれてたけど、本作では処刑が娯楽として描かれていて戦争直前の荒んだ民衆をよく表現していると思った。

ジョー・ジョー・エン