劇場公開日 2001年9月22日

ラッシュアワー2 : 特集

2001年9月18日更新

ラトナー監督、“あの香港映画”の影響をあっさり白状!

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「ラッシュアワー2」の冒頭は、前作のエンディングから繋がる構成になっている。つまり、舞台はいきなり香港。そこにカーター(クリス・タッカー)が観光客として現れ、仕事中のリー(ジャッキー・チェン)と大暴れするという導入だ。この作品、全米では何と今年2番目の大ヒットを記録したと聞いて、我々も早速試写に駆けつけた。そして、物語が進むほど、ある種のデジャ・ブ(既視感)にさいなまれることになる。「待てよ、このシーンはどこかで観たことがある。ほら、このシーンも……。そうだ、『燃えよドラゴン』だ!」

これは、単純に「似ている」というレベルの話ではない。製作者が意図的に「燃えドラ」を引用しているとしか思えない。そして公開を控えた9月4日、我々は来日していたブレット・ラトナー監督に、この点について問い質すことにした。監督の答えは「ああ。一番好きな香港映画は『燃えドラ』だよ。ジャッキー・チェンには内緒だけどね。ハッハッハ」何と、あっさり認めてしまったのである。以下、編集部がほじくり出した「ラッシュアワー2」と「燃えドラ」の共通点を、ラトナー監督のコメントも一部交えてご紹介。

■共通点1:ラロ・シフリンが音楽を担当している

「燃えドラ」のスコアを書いたラロ・シフリンは、「ラッシュアワー」「ラッシュアワー2」両作品の音楽も担当している。これについてラトナー監督は、「『燃えドラ』と同じ作曲家に依頼して、『燃えドラ』のような曲を書いてくれと言ったんだ。だから、音楽の雰囲気は似ているよ。当たり前だ」

■共通点2:クリス・タッカーとジム・ケリーの行動が同じ

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「ラッシュアワー2」では香港の街をクリス・タッカーが歩くシーンがあるが、これは「燃えドラ」でジム・ケリーが街を歩くシーンとよく似ている(クリス・タッカーとジム・ケリーはとも黒人だし)。監督は「『燃えドラ』のジム・ケリーがハン島へ行ったとき、ママに紹介されて女の子を指して選ぶシーンは、今回クリス・タッカーにマッサージ・パーラーでやらせたものだ」とこれまたあっさり認めている。

■共通点3:中国女性が強い!

「燃えよドラゴン」では主人公リー(ブルース・リー)の妹、スー・リン(アンジェラ・マオ)が巨大麻薬密売組織の黒幕ハンの手下たちに襲われるシーンがある。このシーンでスー・リンは見事なカンフーを披露、男どもを次々になぎ倒していく。本作では、チャン・ツィイーがエラ強の女刺客だ。

■共通点4:リンゴにナイフを投げるシーンが一緒!

「ラッシュアワー2」でフー・リ(チャン・ツィイー)がイザベラ・モリーナ(ロセリン・サンチェス)の食べようとしたリンゴめがけて小型ナイフを投げ、突き刺すシーンがある。「燃えドラ」では悪の黒幕ハンが主催するパーティで似たようなシーンがある。ハンが空中にリンゴを投げると、脇にいる娼婦たちが小型ナイフを投げつけ、リンゴに突き刺すのだ。

■共通点5:ジャッキー・チェンは『燃えドラ』に出演していた!

「ラッシュアワー」のジャッキー・チェンは、「燃えドラ」のハンの島でザコキャラとして登場。リーに戦いを挑み、首の骨を折られてあっけなく殺されるという美味しい役を演じている。登場シーンは10秒ちょっと。ちなみにジャッキー・チェンは、ブルース・リーの「ドラゴン怒りの鉄拳」にもスタントマンとして出演。

ラトナー監督は「燃えドラ」の他にも、「俺は、もちろんジャッキー・チェンのファンでもあるよ。彼の映画はたくさん観てるさ。今回も、竹の足場で戦うシーンは昔ジャッキーの映画にあったよね。彼の映画からインスピレーションを得ているんだ」などと語っていた。おいおい、ずいぶん楽して映画作ってるんじゃないの? と突っ込みたくもなるが、アジアの映画を大いにリスペクトしているって雰囲気。まあ好感が持てるので許しておきましょう。もちろん、ここに出ている以外にも、色々な「観たことのあるシーン」に出会うかも知れない。あとは、自分の目で確かめてくれ!

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