劇場公開日 2024年3月29日

「ラッパーはアディダスを好む?」RHEINGOLD ラインゴールド kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ラッパーはアディダスを好む?

2024年4月5日
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鑑賞方法:映画館

思っていたのと違う展開。予告編で事前に見ていた内容と大きなズレがあるわけではない。ただ、いかにラッパーとして売れたのかについてもっと時間が割かれると思っていた。実際は主人公ジワの半生という側面が強い。それを語る上で彼の両親のことも触れずにはいられないのだろう。そこもなかなか壮絶な人生だった。
実話ベースであることが信じられないくらいに波乱に満ちている本作。成長したジワの表情が常に怒りや不機嫌であることが、置かれた現実の厳しさを物語っていた。スクリーンから怒りが滲み出してくる感じ。もちろん犯罪に手を染めるのはよくない。でも、そういう選択をしやすくなってしまう環境を考えさせられる。
マフィアとつながり罪も犯すようになっても音楽のことを忘れなかったのは両親の影響か。後半かわされる父との会話もとても印象的だ。そこからは意外とあっさりしていて、やはりここがメインの話じゃないんだなと再確認した。レコーディングのシーンとかはとても面白かったし、サインのくだりもとてもよかった。改めてこの話が事実を元にしていることに驚いてしまう。いやぁ、面白かった。ラッパーは反逆だったり怒りがあってこそ魅力的になるということなのか。

kenshuchu