劇場公開日 2017年3月11日

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「台湾を知る。」クー嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 奥嶋ひろまささんの映画レビュー(感想・評価)

3.0台湾を知る。

2020年4月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

噂は聞いてた名作。
ただ長いと聞いて、なんとなく敬遠してたんだけど、
やっと拝見。

重苦しい事件を巡る話しかと思いきや、
閉鎖的で排他的な社会情勢と台湾の街を舞台に、
見習うべき大人たちは下を向き、
そんな時はどこの国でも不良が主人公になるうるのだな
と思いました。

昔、台湾人の人と一緒に仕事してる時、
日本の暴走族は可愛い、
台湾の暴走族は青龍刀を振り回してると聞いて、
冗談だと思ってたけど、本当かもしれないなと思いました。

題名の事件はいつ起こるのか?
主人公の鬱屈した気持ちはどこで爆発して
その怒りが何故彼女に向くのか?
と観てるのに、当時の台湾の情勢、
「外省人」と呼ばれる、蒋介石率いる中国国民党が、
毛沢東率いる中国共産党に敗れたあと台湾に移住してきた、中国系の民族の情勢も少年たちの目線で分かる。

何故彼は彼女を殺したのか?
10代の衝動的な行動のように見えたけど、
やはり社会や環境のせいでもあるし、
一番彼が憎んでた世界と、自分は同じ事を彼女にしてた
のだと気付いてしまったからのようにも思える。

しかし、長い。180分バージョンで観たかったと言うのが
正直な感想。

奥嶋ひろまさ