すべて、至るところにある

劇場公開日:

すべて、至るところにある

解説

大阪を拠点に国境と言葉を越えて映画を撮り続けるマレーシア出身のリム・カーワイ監督が、「どこでもない、ここしかない」「いつか、どこかで」に続いて制作したバルカン半島3部作の完結編。

旅行でバルカン半島を訪れたマカオ出身のエヴァは、そこで映画監督のジェイと出会う。その後、パンデミックと戦争が世界を襲い、ジェイはエヴァにメッセージを残して姿を消してしまう。彼を捜すためバルカン半島を再訪したエヴァは、かつて自分が出演したジェイの映画が「いつか、どこかに」というタイトルで完成していたことを知る。ジェイの行方を追ってセルビア、マケドニア、ボスニアを巡る中で、エヴァは彼の過去と秘密を知る。

「いつか、どこかで」でも主演を務めたアデラ・ソーが主人公エヴァ、「COME & GO カム・アンド・ゴー」「あなたの微笑み」でもカーワイ監督と組んだ尚玄が映画監督ジェイを演じた。

2023年製作/88分/日本
配給:Cinema Drifters
劇場公開日:2024年1月27日

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映画レビュー

4.5エブエブ

2024年3月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

知的

幸せ

昨年かなり良い感じで僕のボディーをヒットしたエブエブ

そのエブエブと同じタイトル(一部省略)の映画が

大阪のミニシアターで公開!

いくら難波のジョーク好きでもジョークキツめちゃうか?

と興味本位で鑑賞に。

そしたら、丹田に意識必須なボディーブローを

受けちゃいました。(マジ焦り)

山河土地は気候により雰囲気は違えど、至るところ

どんな場所でも存在する。

そしてそこに住まう人々も髪色、目色違えど同じように

生きている。

つまりは、何をどの角度から見てるのかが

それぞれの違いを生み出している。のであるが

その違いを主張し成否で分類しようとするなら

争いが起こっているのだと。

それを静かに伝えてくれていた◎

また、コロナ禍で残ったものが何か。を

わかりやすく提示してくれている映画ともいえよう。

ちなみ、マイ解釈ではあるが

コロナ禍で残ったものは、

バランスの崩れた世界と生存本能に忠実な人間と

防衛本能に突き動かされた感情と

いつまでも、不安を煽り

未解決で終わりにないワクチン接種

ぐらいだなぁ。と言うことだったw

最後、監督との軽い会話の交換でまだ見れていない

nowhere nowhereへの期待も膨らんんだ。

改めて良い映画である。感謝(^^)

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tomokuni0714

1.5びっくりするほどつまらない

2024年2月22日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

レビューの点数が良かったから見たけど、合わなかったです。

それでも星1.5にしたのは、ボスニアの映像とインタビューが良かったから。『身近な人との間に争いがあって傷ついてきた、それを乗り越えて一緒に生きていく方法を探している』ということを当事者として誠実に語られていて、とても良かったです。
なんで、このインタビューがとれるのに、物語のほうはスカスカなんだろう。

出てくる女性達の行動の理由が、何一つわからない。ヒロインは、なんで男を探してるの?撮った映画が気になったって、本職の女優じゃないのに、探すメリットがない。
短期間一緒に過ごしただけでも、惚れてたら探すと思ってる?探さないって。彼女にも生活があるはずじゃん。

監督と住んでましたって女も、なんで住まわせてるの?もっとお金がありそうなら、外見が気に入っただけで連れて帰ってもいいけど。料理も彼女がしてたし。家事しない、仕事無い男を裕福じゃない女が住まわせる理由って何?

女に幻想押し付けて、なんにもできない男にとって居心地の良さそうな物語を語ってるだけで、笑う気にもならなかったです。

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ふふふ。

4.0スポメニック

2024年2月17日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

「幽玄廃墟」などの作品がある星野藍さんが紹介されていたので観た。バルカン半島に点在するソ連共産圏時代のモニュメント、いわゆるスポメニックが出てくる、ただその一点だけで。
スポメニックといえば、子供の頃、信州・大町の郊外にある別荘地の林の中にそびえ立っていた、茶筅を立てたような巨大なモニュメントを思い出す。いま検索しても情報が出てこないので、あれが何だったのかわからずじまいだが、ダムや橋など巨大建造物が好きになったのは、あの原体験があったからだろうと思う。
スポメニックには、レーニン像のようなわかりやすい偶像や、議事堂のような明確な使用目的がなく、ただ国家の威光を示す建前でコンクリート芸術家が腕を奮った、不思議な魅力がある。その国家の威光が失われ、半ば廃墟となりつつも遺されて佇んでいることで、何とも言えない悲哀をまとっている。
この作品は、監督のバルカン三部作の最終作として撮られた、とのことで、本編のストーリーにもそれが反映されている。前2作は観ていないのだが、なんとなくつながりを想像しながら鑑賞した。背景には、コロナ禍と、旧ユーゴの戦争の爪痕、隣のウクライナで始まった戦争があり、現地の人々のインタビューを交えて風景と遺跡を巡るドキュメンタリーと、フィクションが織り交ぜられている。時間と空間を行き来するストーリーで、登場人物に感情移入することは無かったが、背景にある事象がぽっかりと空白のまま描かれず、しかし、それは確かに「すべて、至るところにある」のだった。

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あらP★

5.0生と死の最前線、人間の繋がりの最前線

2024年2月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

リムカーワイ監督独特の、世界観。
戦争、内戦、家族さえも分断される理不尽な争いを体験した国々。なにを記念し記録し記憶し、させようとするのかわからない旧ソ連衛星共産国のスポメニックの冷たい石さえ、リムカーワイには暖かいふわっとした子どもの手のように見えたりする。
バルカン3部作の前2作はみていないから余計に、映画の中の映画監督の中の監督、と入れ子になった本作品は、時間と空間を自由にする。
生と死に常に寄り添われ意識して生きてきた、生きていく人たち。壊れた街壊れた関係の間で、残った場所残った人たちは、飲み歌い笑い子どもを育て旅人を迎える。

そこは生と死の最前線であり、生と死のバックヤード。リムカーワイ監督が連れて行ってくれるところ。

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