劇場公開日 2003年3月22日

24アワー・パーティ・ピープル : 特集

2003年3月20日更新

「24アワー・パーティ・ピープル」で、もっとフィーチャーして欲しかったニュー・オーダー。ここでは、彼らのディスコグラフィーから、編集部がセレクトした名盤を、彼らと映画業界との関わりも絡めてご紹介してみよう(タイトルの後のカッコ内は、オリジナル盤の発売年)。

勝手にスピンオフ

マンチェはやっぱりニュー・オーダー

編集部

ここで紹介したCD・DVDは、WebNationを通じて購入が可能です。

ロウ・ライフ(85) ワーナーミュージック・ジャパン サブスタンス(87)2枚組 ワーナーミュージック・ジャパン 1,7852,940 トレーシング・ペーパーを使ったジャケット(アナログ盤発
ロウ・ライフ(85) ワーナーミュージック・ジャパン サブスタンス(87)2枚組 ワーナーミュージック・ジャパン 1,7852,940 トレーシング・ペーパーを使ったジャケット(アナログ盤発

トレーシング・ペーパーを使ったジャケット(アナログ盤発売時)が話題になった、通算3枚目のアルバム。「ブルー・マンデー」のヒットを踏まえ、エレクトロ・ポップな楽曲が多いのだが、そのほとんどは十分に暗い。シングルカットされた「パーフェクト・キッス」のPVは、ジョナサン・デミが監督した。デミがオスカーを受賞した「羊たちの沈黙」を撮る5年前のこと。

ロウ・ライフ(85) ワーナーミュージック・ジャパン ¥1,785
ロウ・ライフ(85) ワーナーミュージック・ジャパン ¥1,785

12インチ・シングルを中心に集めたベスト盤。実は、トニー・ウィルソンが個人的な趣味で選曲したというのが実情らしい。とは言え、「ブルー・マンデー」「コンフュージョン」といった初期のヒット曲が、初めてアルバムに収録されたという点で意義は大きい。アルバムタイトルの「サブスタンス」は、ジョイ・ディビジョンのベスト盤でも使用されている。

テクニーク(89)

ワーナーミュージック・ジャパン

リパブリック(93)

ワーナーミュージック・ジャパン

89年、ユーロ・クラブシーンの聖地となっていたイビザ島でレコーディング。従って、全編にわたってアシッド指数極めて高し。ハシェンダも全盛期を迎える。映画には出てこないが、同年、やはりマンチェスター出身のストーン・ローゼスもデビュー。本作はニュー・オーダーとして、ファクトリーからリリースされた最後のフルアルバムとなった。この後メンバーはソロ活動に向けてバラバラになる。

ファクトリー倒産後初のアルバム。この後バンドは長い沈黙に入り、新曲は、7年後の00年にディカプリオ主演の「ビーチ」のサントラに収録された「ブルータル」まで待たなければならない。もっとも、バーナード・サムナーはジョニー・マーとのユニット「エレクトロニック」や、ケミカル・ブラザースのアルバムに参加したりと課外活動は活発。ピーター・フックやその他の2名(ジ・アザー・ツー)もそれなりに。

ゲット・レディー(01)

ワーナーミュージック・ジャパン

インターナショナル~ザ・グレイテスト・ヒッツ(02)

ワーナーミュージック・ジャパン

2,520

2,520

8年ぶりとなるニュー・アルバムを引っ提げ、Fuji Rockのステージに立ったのも記憶に新しいニュー・オーダー。今やすっかりUKデザイン界の巨匠となったピーター・サビルのジャケットは、シングルの「クリスタル」のCDやDVDなど、一連の関連タイトルを通じて連作になっている。同シングルのPVでは、相変わらず人を食ったようなブラックユーモアが健在で一安心。

1枚しか買えないのならこれがお得。「ビザール・ラブ・トライアングル」や「タッチト・バイ・ザ・ハンド・オブ・ゴッド」はリミックス・バージョンを収録。そう言えば、その昔「ビザール~」のPVを撮ったのはロバート・ロンゴ。ビートたけしとキアヌ・リーブスが出演した「JM」の監督その人。その後映画界からは消えてしまったが。

画像3
サブスタンス(87)2枚組 ワーナーミュージック・ジャパン ¥2,940
サブスタンス(87)2枚組 ワーナーミュージック・ジャパン ¥2,940

7,980

4,935

数多くリリースされているニュー・オーダーのベスト盤の中でも、プライマル・スクリームのボビー・ギレスピーはじめ、4人のマニアがディスク1枚ずつを選曲しているというコンセプト盤にしてボックスセット。それにしてもこの人たちは、ベスト盤がやたらと多くてコレクター泣かせ。

全16曲のうち、ジョイ・ディビジョン時代の曲が5曲あるので、タイトルが「5 11」。「トランスミッション」では、「24HPP」の中でバーナード・サムナー役を演じたジョン・シムがステージ袖から呼び出されて、無理矢理歌わされるという一幕も。メンバー全員が40代半ばとなり、楽しそうにライブを演っているのが微笑ましい、というか意外。

ジョイ・ディビジョン/サブスタンス(88)

ワーナーミュージック・ジャパン

24アワー・パーティ・ピープル/

オリジナル・サウンドトラック(02)

ワーナーミュージック・ジャパン

1,785

2,520

せっかくなので、ニュー・オーダーの前身である、ジョイ・ディビジョンのベスト盤をご紹介。バンド名の由来については、映画の中でも語られているが、ナチスの慰安婦収容所から。その前の名前はワルシャワといい、これはデビッド・ボウイの名作アルバム「ロウ」の曲から。それにしても、イアン・カーティスのボーカルは腹に響く。

選曲については賛否分かれるこの映画のサントラには、ニュー・オーダーの曲は4曲入った。ケミカル・ブラザースの手を借りた「ヒア・トゥ・ステイ」はシングルも発売。欲を言えば「ブルー・マンデー」は、映画の中で演奏されたアコースティック・バージョンあたりを収録して欲しかった。

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