高山文彦 : ウィキペディア(Wikipedia)

高山 文彦(たかやま ふみひこ、本名:工藤 雅康(くどう まさやす)、1958年3月7日 ‐ )は、日本のノンフィクション作家。宮崎県高千穂町出身。

来歴・人物

宮崎県立高千穂高等学校卒業。法政大学文学部哲学科を学費未納で除籍となる。

製薬会社やNTV映像センターを経て、大下英治の事務所に入り、1992年に独立作家・大下英治さん「1日に5人会いなさい」…ひたすら取材の「千本ノック」経て独立:地域ニュース : 読売新聞。1993年、「死者が語る佐川急便事件」(「プレジデント」2月号)で注目される。

犯罪を犯した少年に対しては同情的だが、実名を書いて人権侵害として訴えられてしまったことがある。結果的には勝訴したものの、その矛盾は日本の実名報道に対し疑問を投げかけることとなった。

また、高千穂町出身であることもあり、高千穂あまてらす鉄道(神話高千穂トロッコ鉄道から社名変更)の代表取締役として、高千穂線の復活に尽力している。

長渕剛との交流もあり、1994年リリースのベストアルバム『いつかの少年』にてライナーノートを執筆した。その後、1996年リリースのアルバム『家族』では、タイトルナンバーの「家族」の共同での作詞を手がけている。

小学館ノンフィクション大賞選考委員。

受賞歴

  • 『火花 北条民雄の生涯』(1999年刊)により、第31回大宅壮一ノンフィクション賞、第22回講談社ノンフィクション賞受賞。

著書

単著

  • 『いのちの器』(1995年3月、双葉社。ISBN 457528386X→ふたばらいふ新書)
    • 『いのちの器 臓器は誰のものか』(角川文庫)
  • 『霞が関 影の権力者たち』(1996年1月、講談社。ISBN 4062080346)
  • 『地獄の季節』(1998年2月、新潮社。ISBN 4104222011)
    • 『地獄の季節 「酒鬼薔薇聖斗」がいた場所』(新潮文庫)
  • 『「少年A」14歳の肖像』(1998年12月、新潮社。ISBN 410422202X→新潮文庫)
  • 『火花 北条民雄の生涯』(1999年8月、飛鳥新社。ISBN 4870313731→角川文庫→七つ森書館)
  • 『愚か者の伝説 大仁田厚という男』(2000年4月、講談社。ISBN 4062100045)
  • 『運命(アクシデント)』(2000年7月、文藝春秋。ISBN 4163564209)
  • 『水の森』(2001年7月、中央公論新社。ISBN 4120031659)
  • 『ネロが消えた』(2003年10月、飛鳥新社。ISBN 4870315823) 絵:唐仁原教久
  • 『鬼降る森』(2004年3月、幻戯書房。ISBN 4901998072)
  • 『水平記 松本治一郎と部落解放運動の一〇〇年』(2005年5月、新潮社(のち新潮文庫 上下)→論創社、2023年6月)
  • 『麻原彰晃の誕生』(2006年2月、文春新書→新潮文庫。ISBN 410-1304351)
  • 『ミラコロ』(2006年6月、ポプラ社。ISBN 4591092682)
    • 『あした、次の駅で。』(ポプラ文庫)
  • 『エレクトラ 中上健次の生涯』(2007年11月、文藝春秋。ISBN 978-4163696805→文春文庫)冒頭「灰皿はすぐに吸い殻の山となった。」(単行本10頁)で始まる本書には、ところどころに小説風の記述がある。単行本409頁の「参考文献について」によれば、集英社刊『中上健次全集』全15巻、就中、高澤秀次「年譜」および高澤秀次『評伝中上健次』ほか「膨大な文献資料」を参考にしているという。『日本経済新聞』『産経新聞』『朝日新聞』『毎日新聞』『読売新聞』に書評が掲載された(「エレクトラ-中上健次の生涯」〈タブ「基本情報」に記載〉、さいたま市図書館。2020年10月18日閲覧)。
  • 『孤児たちの城 ジョセフィン・ベーカーと囚われた13人』(2008年9月、新潮社。ISBN 978-4104222049)
  • 『父を葬(おく)る』(2009年7月、幻戯書房。ISBN 978-4901998468)
  • 『どん底 部落差別自作自演事件』(2012年12月、小学館。ISBN 978-4093798327)
  • 『大津波を生きる 巨大防潮堤と田老百年の歴史』(2012年11月、新潮社。ISBN 978-4104222056)
  • 『宿命の子 笹川一族の神話』(2014年12月、小学館。ISBN 978-4093798631)
  • 『ふたり: 皇后美智子と石牟礼道子』(2015年9月、講談社。ISBN 978-4062197083→講談社文庫)
  • 『生き抜け、その日のために:長崎の被差別部落とキリシタン』(2016年4月、解放出版社。ISBN 978-4759250374)
  • 『宿命の戦記:笹川陽平、ハンセン病制圧の記録』(2017年12月、小学館。ISBN 978-4093798990)

編著

  • 『少年犯罪実名報道』(2002年7月、文藝春秋。ISBN 4166602616)

共著

  • 『官僚が言えなかったホンネの話 : 現役キャリア25人の"独白"コレクション!』宝島社、1998年10月。ISBN 4796694080
  • 『サヨナラだけが人生だ 随想集「プロムナード」2』(2002年3月、恒文社21。ISBN 477041062X) 共著・安野光雅、高橋源一郎
  • 「「臆病な殺人者」加藤智大と酒鬼薔薇聖斗」『論争若者論』文春新書編集部(編)、文藝春秋、2008年10月。ISBN 978-4166606658
  • 『それからのわたし』(2004年、飛鳥新社。ISBN 978-4870316058) 語り:清水秀子
  • 『日本人への遺言』(2007年11月、講談社。ISBN 978-4062141970→2010年、講談社文庫)対談:城山三郎
  • 『対論 部落問題』(2008年9月、平凡社新書。ISBN 978-4582854343)共著:組坂繁之
  • 『日本人が忘れた日本人の本質』(2017年7月、講談社+α新書。ISBN 978-4062729970)対談:山折哲雄

論文

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2023/06/27 01:15 UTC (変更履歴
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